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トノの音楽そぞろある記

歌と音楽に関するコンテンツです
The Damnation of Faust@Barbican
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    聞き知っているだけだった「ファウストの劫罰」を歌いきってからもう一年になるのだから、時の移ろいの早さには困ったものだ。

    その魅力に取り付かれてしまってから、「演奏会はないものか?」と日本では望めないため海外に眼を向けてきた結果、今年2月にはリエージュへ飛んだ。

    その後も日程を睨んできたが、ついに「今年の本命」といえる演奏会を見つけたのでやってきた。場所はロンドンである。

     

    初めてこの地に来たのはたぶん20年以上前。それから世の中は大きく変わった。

    しかし、ヒースローから中心部へ向かうPiccadilly Lineから眺める風景-レンガ造りの家から突き出ている煙突、その向こうに広がるどんよりとした曇り空-は、当時と変わらず何事もなかったように同じだった。

     

    滞在の最後の夜に演奏会はあった。場所はBarbican。tubeのBarbican駅を降りて地上に出たとき、初めて来たときの風景を思い出した。「そうだ、そうだ。このトンネル状になっている道を抜けたところがBarbicanだった」と。そしてその時は聴いた曲は「メサイア」だったことも。Barbicanの外観も変わっていなかった。

     

     

    会場内も記憶と違わなかったが、よく見ると客席の高低差が非常になだらかなことを再発見、敷地を十分にとっており圧迫感のないのは居心地がいい。

     

     

    さて、肝心の演奏会。これがこれ以上何を望むかと思える完璧な出来!ここまで合唱、ソリスト、オケが一体となったファウストの演奏は今後聴けるかどうか疑わしいほどで、すばらしいの一言に尽きる。

     

    まず何より、合唱が尋常じゃない。付属のLondon Symphony Chorusで、人数は130人程度、5.5対4.5でやや男性が多い陣容。数々の録音もある実力十分の合唱団だが、その上手さにはとてもいじゃないが敵わない。

    何よりいいのは、塊としての一体感。生命が宿る生き物のようにその中に”個”は見えずに、大きな”個”だけが自由自在に音を繰り出していく。指揮者の棒で縦横無尽にいかようにも変化していく心地よさ。

    そこから感じるのが力みがないこと。合唱の本質を一人ひとりが理解しているからこそなせる業だ。歌いこなれているいることがひしひしと伝わってくるパーフォーマンスの良さだ。

    そのような音の塊が完全にオケと一体化しているのだから、凄みある演奏にならないはずがない。

     

    冒頭の軽やかな「農民たちのロンド」、遥か彼方の天から聴こえてくるような誘いで始まった、前半の山場である「復活祭の合唱」、飲んべえの合唱や地の精と空気の精の合唱、兵士たちの合唱や学生たちの合唱等々、秀演は数え上げたらきりがない。

     

    また、ソリスト陣も充実。この物語の鍵を握るメフィストフェレス役は当初予定されていたのGelald FinleyからChristopher Purvesに交代になったが、十二分な出来で劇を引っ張った。またマルガレーテ役のKaren Cargillはかなりの実力者。「トゥーレの王」もちろんよかったが、ファウストとの二重唱、ロマンスは圧巻の出来。その豊穣な歌いっぷりは心に響く。

     

    そして何よりこの大曲を終始緊張感に満ちたものに仕上げたマエストロRattleは、やはり凄い。

    一曲一曲の中でも音の緩急を織り交ぜて作り上げて行くさまは、曲全体に緊張感を生む源になっているうえに、次曲へのステップへと繋がっている。この好循環が連続しているのが凄さまじい演奏になったのではなかろうか。

    例を挙げると有名な「ハンガリー行進曲」。誰もが最後は高らかな咆哮で期待しているが、彼は咆哮した後、すぅーと音を引き取っている。いわば鳴らしっぱなしで終わらないのだ(これは他の演奏を聴いて検証が必要かもだが...)

    また合唱やオケとの音のバランス感覚も卓越している感がある。

     

    地獄落ちから伏魔殿の怒涛の合唱も終わった後、終局の「天国にて」で思わぬことが待っていた。

    「合唱が少し厚いかな?」と思っていたら迂闊だった。最前列で転落防止柵のため視界が舞台しか見えないため、気がつかなかったが、乗り出してよく見ると舞台下の客席最前列に少年少女合唱団が入場して歌っていたのだった。途中からマエストロも横向きになりながら棒を振ってもいたが...

    マエストロもこの大曲の終曲というよりは、「すべての人は望みを捨てるなかれ、幸せに微笑みかけたまえ」という思いで振っているような気がした。

    そした静かにタクトがおろされて数秒後、会場内から怒涛の拍手が沸き起こった。それはすぐにスランディング・オヴェーションとなっていった。幸せに溢れた時間だった。

     

    今日のような演奏を聴いたら、何か次の機会を得るのが怖いくらいだ。しかしながら改めてこの曲の面白さに惹かれてしまったからには、これからもファウストの追っかけは続くだろう。

     

    〈Data〉

     

    LSO SEASON CONCERT

    Sunday 17 September 2017    6:00PM

    BARBICAN HALL

     

    THE DAMINATIION OF FAUST

     

    Sir Simon Rattle : conducter

    Karen Cargill : Marguerite

    Bryan Hymel : Faust

    Chiristopher Purves : Mephistopheles

    Cabor Bretz : Brander

    London Symphony Chorus

    Tiffin Boys' Choir

    Tiffin Girls' Choir

    Tiffin Childrens' Chorus

     

    price: £20.00

     

     

    P.S.倫敦夜話

     

    現地到着は15日の夕方。やっと落ち着いてテレビをつけると、BBCが「London tube Explusion」と。「あぁ...」と思った後よく聞いてみると起きたのが同日の通勤時間帯。この後犯人と思しき少年らは捕まったが、何事もなきように。

     

    また16日には初めてImperial War Museumを訪れた。和訳名が「帝国戦争博物館」と物々しい名称だが、奇しくも今年は設立してから100年というので、記念関連グッズも所狭しと売られていた。第一次大戦、第二次大戦、そして最近の戦争まで実物も多数展示されていた。

    びっくりしたのはたくさんの人が訪れていたこと。日本でそれに類する施設にどれほどの人が行ったことがあるかを考えれば驚くほどだ。たぶん、”戦い”に対する考え方の違いかもしれないが、歴史の一部に向き合っている姿勢なのだろう。その前に訪れたTate Britain に引けをとらない混みようだ。

     

    しかし当地では関連グッズを売る事にかけては世界一かもしれない。先のImperial War Museum然り、Tate Britain然り、Barbican然り(文具やトートバックなど)。買う人も多くいるので成り立つ商売か。

    | 声楽曲2017 | 23:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
    Opera House@Sydney
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      初めてやって来た南半球。それもオペラハウスが超有名なシドニーだ。

      Airport linkと呼ばれる空港と市内を循環する電車に乗って、オペラハウス最寄りのCircular Quayで下車。

      目前には美しいSydney Coveとともに左手にはこれまた有名なHarbour Bridgeの威容が目に飛び込んできた。

      高架から降りて地上の出口を打たら、これまたビックリ。目前に観光フェリーの船着き場Ferry haarvesgが広がり、すごい人波。それをかき分けながら湾を左手に見るように歩き出すと、湾沿いに遊歩道が広がっている。そうしてしばらく歩いたその先にオペラハウスはあった。

      それは意外に巨大だった。


       

      更に近づくと、聖なる地への歩みを求めるかのように階段が広がっていた。そしてコンサートホールの内部へ。

      確かに複雑極まりない様子が伺える。これは時間もお金もかかるはずだ。

       

      しかしホール内はさすがにそこまで冒険的ではないが、これまた素晴らしい!

       

      ところで肝心のコンサートの中身。

      DANCING WITH THE ORCHESTRAと銘打ち、コダーイ、バルトーク、ラフマニノフの曲を並べた。

      かなり渋いラインナップかと思ったが、これがなかなかいい。

      いずれも個人的にはこれまでなじみのない曲ばかりだが、それぞれの作曲家の「個」が際立つ秀作。

      バルトークのヴァイオリン協奏曲もよかったが、より印象に残ったのはラフマニノフ。

      ワルツを奏でた後のフィナーレまで持っていく圧倒的な爆発力は音のマジックを聴いているよう。日本ではどれほど演奏されているのかわからないが、今後は要チェックの作品だ。

       

      それにしても、ポップスのコンサートを聴いた後のような口笛や掛け声で出演者を称賛したり、オケもそれにこたえるかのように?舞台後方の観客に向かって挨拶するために、180度回転して正面にお尻を向けるなどのウィットに、オーストラリアンがより気軽に身近にコンサートを楽しんでいる気風が見て取れたような気がする。

       

       

      P.S. 「南半球ではキッチン等で水が管に吸い込まれていくとき、水の巻き方が北半球と逆」とのことだが...今回は確認し忘れ。次回は必ず...

       

       

      〈データ〉

       

       

      DANCING WITH THE ORCHESTRA

      GREAT CLASSICS

      SATURDAY 15 JULY, 2017 2PM

      SYDNEY OPERA HOUSE CONCERT HALL

       

      James Gaffigan : conductor

      Alina Ibragimova : violin

      Sydney Symphony Orchestra

       

      ZOLTAN KODALY : Dances of Galanta

      BERA BARTOK : Violin Concerto No.2

      SERGEI RACHMANINOFF : Symphonic Dances, Op.45

       

      【price】 69.00 a$

      | オーケストラ2017 | 18:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
      ジークフリート@オペラパレス
      0

        マエストロ飯守による「リング」も第2日目、「ジークフリート」だ。

         

        第一幕はあまり音楽の起伏がないため、ややもすると退屈とは言わないまでも、集中力を持続するにはそれなりに覚悟が必要だった。しかし、第二幕、第三幕と進むにつれて調子は尻上がりに上昇。何といっても第三幕のジークフリートとブリュンヒルデは圧巻!これ以上何を望むだろうかという出来。

         

        ソリスト陣もマエストロ自ら「現在最高の人」を選んだといわれるほどで甲乙つけがたいハイレベルの陣容。しかし、何といっても第三幕の圧唱はもとより、劇全体を引っ張ったジークフリート役のステファン・グールドには圧倒された。

        他のソリスト陣もそうだが、音の減衰とは全く無関係のような歌いっぷり。それも目いっぱい声を張り上げている風はまったくなく、普通に歌っているように聴こえるさまは恐ろしささえ感じる。

        座った席は2階だが、ここは視覚的にはいいが、音響的にはややくぐもって聴こえることは体感的な事実。その席でさえ音が明瞭に聴こえてきたのにはビックリした。

         

        オケの東響も大健闘。在京オケでは歴史もあり、比較的オペラも演奏しているとはいえ、その場数は決して多くはないはず。ましてワーグナーである。序曲を引いて終わりのコンサートとはわけが違うはずだ。

        しかし、第一幕こそもたつき感を感じた個所もあったが、徐々に乗ってきて、最後まで澱みない音の流れを作り出していたことは評価されるべき。

         

        そして、マエストロ飯守。芸術監督として、最初で最後の「リング」を敢行することを考えたらその意気込みは並々ならないだろう。そんな意気込みが空回りすることなく、これまでの築き上げてきた「マエストロのワーグナー」らしく、うねりと静寂さも見事に表現していたのはさすがである。体の切れもよく、体調も申し分ないと見えたので、その分音も歯切れ良かった。

        終演後、ソリストの奮闘に、オケ全員が惜しみない拍手を送っていたのが印象的。オケもさぞ感激したであろうことは間違いない。

         

        今年完結した、ヤノフスキによる演奏会形式の「リング」も素晴らしかったが、やはり舞台付きで見るのは格別。いよいよ今秋に完結するこの「リング」も期待大である。

         

        P.S. 森の小鳥役で出演した日本人歌手4人も健闘。4色の鳥の衣装を纏い、木にとまっている様を模した柱の陰から半身を出して歌っていたが、何を支えにあんな辛い姿勢で歌っていたのだろうか??? 見たところ天井から釣っているようでなかったので、柱の中に作った足用の引っかけ棒に足をかけ、片手は手首を固定し、柱の中に作った引っかけ金具に引っかけた?と勝手な想像をしてみたが...

         

         

        〈データ〉

         

        楽劇「ニーベルングの指輪」第2日

        2017.6.14(水) 16:00

        オペラパレス

         

        リヒャルト・ワーグナー:ジークフリート

         

        指揮:飯守 泰次郎

         

        ジークフリート:ステファン・グールド

        ミーメ:アンドレアス・コンラッド

        さすらい人:グリア・グリムスレイ

        アルベリヒ:トーマス・ガゼリ

        ファフナー:クリスティアン・ヒュープナー

        エルダ:クリスタ・マイヤー

        ブリュンヒルデ:リカルダ・メルベート

        森の小鳥:鵜木絵里、吉原佳子、安井陽子、九嶋香奈枝

         

        管弦楽:東京交響楽団

         

        【料金】 A席 21,600円

        | オペラ2017 | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
        千人@オーチャード
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          今やツィクルスでも祝祭時でも頻繁に演奏される「千人」。今回は3年前から始まった、マエストロ山田によるツィクルスの最終期の一環。

          さて、今回の成果はというと...マエストロの思いはわかるが、次の機会に期待しようという感じだろうか。

           

          まず、合唱。児童合唱を入れなくても250人はいるのではないか思うくらいの大編成。それはそれで良しだし、第一部 ”veni creator spiritus” も合唱の圧を感じる演奏だった。しかし、この曲で合唱の真価が発揮されるのは第二部、それも冒頭の ”Waldung, sie schwankt heran” の出来次第。

          だが、今回は子音の立ちも甘かったため、言葉に切れがなく、聴く側の集中度が高まらなかったのは否めない。またオケとも息が合っていたかといえばちょっと疑問だ。その後の合唱もなぜか、うまいへたではなく、”勢い”が感じられなかったのは残念。

          また、オーケストラは部分的に聴けば力演の部分もあったものの、全体的にその演奏は平板であり、”熱さ”を感じることはなかった。

           

          そんな感じなので、終局の ”神秘の合唱” からバンダも入って壮大に終わるまでの大音量が少し虚しく聴こえたのは自分だけだろうか?

           

          ソリストでは、清水さんと西村さんが満足いく歌唱をしていたのが印象的。特に西村さんの輝く高音の伸びはこの曲に合っている。

           

          この曲を真に満足して演奏するのは難しいと改めて感じた次第。

           

           

          〈データ〉

           

          山田和樹 マーラーツィクルス 第8回

          2017.6.3(土) 17:00

          オーチャードホール

           

          武満 徹:星・島(スター・アイル)

          マーラー:交響曲第8番7「千人の交響曲」

           

          第1ソプラノ、罪深き女:林 正子

          第2ソプラノ、贖罪の女のひとり:田崎 尚美

          第3ソプラノ、栄光の聖母:小林 沙羅

          第1アルト:サマリアの女:清水 華澄

          第2アルト:エジプトのマリア:高橋 華子

          テノール、マリアをたたえる博士:西村 悟

          バリトン、法悦の神父:小森 輝彦

          バス、瞑想の神父:妻屋 秀和

           

          第1コーラス:武蔵野合唱団

          第2コーラス:栗友会合唱団

          児童合唱:東京少年少女合唱隊

           

          指揮:山田 和樹

           

          【料金】 4,000円

           

           

           

          | オーケストラ2017 | 23:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
          Tonhalle@Dusseldorf
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            今回の音楽紀行、2回目の演奏会。会場はDüsseldorfのTonhalle。下調べでその形はわかっていたが、隣接のトラムの駅から眺める姿はまさにドーム型。

             

            1階に入ると、会場をそのまま持ってきたかのような、待合風なつくりになっている。素敵だ。

             

            もっと素敵なのは会場内で、まるでプラネタリウム内にいるように、ところどこのろドーム部分に天空の星が瞬いているごとく照明が配置されている。

             

            そして曲目はブルックナーの8番、指揮は日本でも人気のあるインバルだ。

            個人的にもブルックナーの中で最も好きな8番だが、これが極上の出来。

             

            何かを予感させる第1楽章のAllegro moderato、躍動する第2楽章のScherzo、静寂から次第に音の混合となるAdagioの第3楽章、そして圧倒的なFinaleの第4楽章と、いづれも甲乙つけ難い出来だったが、聴いている限りではその出来ばえは高次元での右肩上がり。

             

            彼の指揮、決して大振りしているわけではないが、強みは「確信的」な指示出しだ。迷いは毛頭なく、「ここはこうだ!」との見えない強い意志がある。また、情緒的にならずに、冷静に音の鳴りっぷりを確かめている「哲学的」な音楽進行もいい。

             

            それを見事に消化し自分たちのものにしたオケも見事。

            これまでの、指揮者とオケの関係がどれほどのものだったかわからないが、その一体感はその音の粒立ちを聴けば一聴にわかる。

            また、気迫迫る姿、一音に込める執念ともいえる姿が空回りすることなく、音に結実していた。

             

            指揮よし、オケよし、会場よしとこれ以上何を望むだろうか。そしてその結果が素晴らしいものにならないはずはない。

            これまで多くの8番を聴いてきたが、曲全体を俯瞰した場合、そのバランスは最高であり、たぶんこれまででベストといえる演奏だろう。

            多くの聴衆も同様な受け止めだっただろう。終演後の万来の拍手とスタンディングオヴェーションがやむことなく続いていた。

             

            Dusseldorfer Symphonikerのドイツ国内での評価は知る由もない。ましてや世界的な名声となるともっとわからない。しかし、演奏会の最終日、マチネーにおけるこの素晴らしい成果を考えたとき、この分野における裾野の広さをまざまざと見せつけられた気がした。ドイツや欧州ではどこの街のオケも今日のような演奏を普通にするのだろうか...

             

            デュッセルドルフの人口は61万余らしい。

            演奏家はいい演奏を地域の人々に聴いてもらいたくて血眼になり、聴衆も「わが町」のオーケストラをこよなく愛している。聴衆が音楽家を育て、音楽家は聴衆を掘り起こす。あまり比較しても意味ないが、残念ながら日本ではN響と言えどもとてもこんな演奏はできない。それは技術だけでは生み出せないものだからだ。

            その意味では、一昨日のウィーン・フィルでさえ、本拠地ではないことを考えればお客さん的な演奏だったかもしれない。

             

            短期間であったが、印象深い演奏に巡り合えたことに感謝。旅の疲れも吹っ飛ぶというものだ。

             

             

            P.S. ここの舞台はさほど広くない。ブルックナー級になると結構キツキツ。また舞台上へは、舞台後方からの階段(たぶん)を上って舞台袖から上がる仕組み。

             

            〈データ〉

             

            Sternzeichen

            8.Mai 2017 11:00 Uhr

            Tonhalle Dusseldorf

             

            Dusseldorfer Symphoniker

            Eliahu Inbal Drigent

             

            Anton Bruckner Symphonie Nr.8 c-moll (Erste Fassung)

             

            【Preise】 39 EUR

            | オーケストラ2017 | 21:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
            Festspielhaus@Baden-Baden
            0

              連休を利用した音楽紀行。今回は温泉保養地で有名なバーデンバーデンへ足を伸ばしてみた。

               

              前泊地のケルンから乗り込んだDB(ドイツ国鉄)が誇るICに乗ってカールスルーエ乗継で目的の地へ。近づくにつれて森の深さや緑が濃くなってくるのがわかる。自然と深呼吸したい気分に...それは駅から会場近くのホテルへ向かうバスが走る沿道でも益々深まっていく。

               

              会場のFestspielhausは廃駅となった旧駅を改装したものらしいが、外観の壮麗さには「これが駅舎だったなんて」と感じざるを得ない。

               

               

              今日の演目はモーツァルトの39番とブルックナーの4番。それを演奏はウィーン・フィル、指揮は御大ブロムシュテットというのだからたまらない。

               

              モーツァルトが始まったが、その響きのよさはなんというのだろうか。音響の良さで有名な会場だが、残響が凄くて響くのとは対極にある、音の芯も周辺もしっかりと保たれている中で、音がきりりと締まった上での包み込む響きというのだろうか。その心地よさは格別(ドーパミンが結構出ているのかな?)。演奏も超一流でありその上会場もwunderbar!となると、この上何を望むだろうか。

               

               

              休憩時、窓から眺めた周辺の風景もそんな気持ちに見事に応えてくれるもの。

               

               

              そんな会場のすばらしさとウィーン・フィルのテクニックが融合した秀演がブルックナーだ。

              どの楽章も極上の出来だったが、特に印象的だったのは第4楽章。tuttiではたっぷりと鳴らすため全休止でもあるかのような後にadagioで音を開放。それが何回かやって来るさまは、聴きようによってはしつこい印象になるかもだが、「フィナーレはまだかまだか???」と思わせる聴衆の飢餓欲求に訴えるにはこれ以上の表現方法はあるまい。

               

              また、金管群の音の鳴り方の凄まじさは、これまでに聴いたことのないもの。モーツァルトでは「鳴らし過ぎでは?」と感じたが、ブルックナーではその抜群の響きは心地よさとなった。嫌らしい音ではなく、音が抜けていく感覚というのはこういうのを言うのだろう。

               

              そんな秀演・爆演だったので、聴衆のオヴェーションも半端ではなかった。御大ご自身も相当に満足したのか、しきりにオケを持ち上げるなど、いつになく高揚とした感じが見て取れた。

               

              今回はこの演奏会のためだけに来たバーデンバーデンだが、次回はゆっくりと温泉に浸りたいものだ。

               

              P.S. 客席は「ゆるやかなすり鉢状」というより「急な階段状」(東京で言えばサントリーではなく芸劇)だが、舞台の広さは相当なもの。詰めればあと50人は乗れそうな幅と奥行きだ。また、入退場は舞台袖ではなく舞台裏から。違和感ではないが、「おっと、そうきたか...」という感じ。

               

               

               

              〈データ〉

               

               

              FR,5.MAI 2017, 19 Uhr

              WIENER PHILHARMONIKER 

              HERBERT BLOMSTEDT

               

              Mozarts Es-Dur-Sinfonie KV543

              Bruckners Vierte, die "Romantische"

               

              FESTSPIELHAUS BADEN-BADEN

               

              【Preise】 59 Euro

               

              | オーケストラ2017 | 23:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
              L'Arc〜en〜Ciel@東京ドーム
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                思ってもいなかったが、L'Arc~en~Cielのライブに誘われたので東京ドームに行ってきた。

                ドーム自体久しぶりだが、開演1時間前というのに会場外には黒山の人だかりって感じ...

                 

                ドームでのライブは舞台が豆粒にしか見えないからか、自席周りもライブに熱中せずおしゃべりばかりで一体感もなかった過去の記憶があるが、いまやそれも昔話か。

                2階席で確かに舞台は豆粒だが、設置されたスクリーンは昔日と違って10m×10mは超える巨大なもの。そのせいか意外に?違和感なかったのは予想外。

                 

                正直、この世界の曲にはまったく疎く知ってる曲は1曲もなかったものの、それなりに楽しんだ。

                 

                それにしても世の中の動きが激しいなか、25年もファンがついてきてくれることは、偉大な証拠。

                 

                 

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                L'Arc〜en〜Ciel 25th  L'Anniversary LIVE

                2017.4.8(土) 18:00

                東京ドーム

                 

                 

                【料金】 全席指定 11,000円

                 

                 


                 

                 

                 

                | その他 | 22:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
                神々の黄昏@東京文化
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                  ついにマエストロヤノフスキによる「リング」も第3日を迎えることとなった。そしてそのフィナーレを飾るにふさわしい出来に酔いしれた。

                   

                  ソリストは例のごとく粒ぞろい(ただただ、ジークフリート役を予定していたロバート・ディーン・スミスが体調不良で降板したのは残念。その代役のアーノルド・ベズイエンは水準以上であるのは確かだが、今日の出演者の中ではいま一歩)

                   

                  中でも、最も印象的だったのはハーゲンを演じたアイン・アンガー。その何物にも微動だにしない、冷徹な容貌(あくまで劇中の話)から発せられる声は、誰もが望むであろう以上の声で聴衆を圧倒。威圧感に満ちた大柄な体格とも相まって、その存在感は抜群だ。

                  そのアンガーに容貌からは想像できない鋭い声で対抗したのがグンター役のマルクス・アイヒェ。長方形状のフレームのメガネをかけた姿は一見学者風、インテリ風とも見えるが、歌いだすとビックリ。アンガーとは別種の存在感ある鋭角的な咆哮は堂々とアンガーと渡り合った。

                  当然、ブリュンヒルデ役のクリスティアーネ・リボールも書きつられねばなるまい。よくもこれだけの長丁場を音が減衰することなく歌いきれるものかと。。。

                  また、このシリーズで常連となった、金子美香、秋本悠希、藤谷佳奈枝、小川里美の日本人歌手も称賛したい。もはや彼女ら抜きでワーグナーを演じることはできないくらい、声質がワーグナー色に染まっていて聴いていて心地いい。

                   

                  一方、今回のシリーズで管弦楽を務めたN響。ドイツ系の音楽を得意とすると言われてきたが、今日の演奏も含めて、これほどまでに鋭角的な厳しい音、真によく響く分厚い音を聴いたのはもしかして初めてかもしれない。これは明らかにゲストコンマスのライナー・キュッヒル氏の影響と言っていい。

                  誤解を避けるために言っておくが、現在のN響のコンマスが云々ということではない。キュッヘル氏のオーケストラの中で鍛え上げた輝かしい経歴・経験そして絶えることのない向上心を見れば、世界中に彼の代わりになりうる人が何人いることか...

                   

                  今回の座席は1階の4列30番台。キュッヘル氏とはちょうど対角線の位置関係にある。そのせいでもなかろうが、終始第一バイオリンの厳しい音が飛んでくるのが聴こえる。そして音がする方向を再度よく見てみると、キュッヘル氏がマエストロのわずかな動きも逃すまいという形相でマエストロを凝視しながら、あたかもキュッヘル氏の音しか聞こえないような、猛烈な勢いで弓をしならせている姿。また、次幕が始まるほんのわずかな時間も惜しまず、指の動きを何回も繰り返し練習している姿。

                  世界の指折りのレベルになれるのは、こうしたことの積み重ねなのだ。

                   

                  しかし、そんなソリストやオケの力をいかんなく発揮させるような統率力で、最後まで澱みのない流れを作り続けたマエストロをなんと称賛したらいいのやら。終演後のカーテンコールもオケが引き揚げなかったら30分は続きそうなスタンディング・オヴェーション。

                   

                  演奏会形式とは言え、こんなに充実した「リング」は当面聴けそうにない。過去四年間、年一回ではあるが夢のような時間を過ごせたことに感謝。

                   

                   

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                  東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.8

                  2017.4.4(火) 15:00

                  東京文化会館 大ホール

                   

                  ニーベルングの指輪 第3日 《神々の黄昏》

                   

                  指揮:マレク・ヤノフスキ

                   

                  ジークフリート:アーノルド・ベズイエン

                  グンター:マルクス・アイヒェ

                  ハーゲン:アイン・アンガー

                  アルベリヒ:トマス・コニエチュニー

                  ブリュンヒルデ:クリスティアーネ・リボール

                  グートルーネ:レジーネ・ハングラー

                  ヴァルトラウテ:エリーザベト・クールマン

                  第1のノルン、フロースヒルデ:金子美香

                  第2のノルン、ヴェルグンデ:秋本悠希

                  第3のノルン:藤谷佳奈枝

                  ヴォークリンデ:小川里美

                   

                  管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル)

                  合唱:東京オペラシンガーズ

                   

                  【料金】 A席 17,500円

                   

                   

                   

                  | オペラ2017 | 22:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  ラインの黄金@びわ湖ホール
                  0

                    びわ湖ホールが今年から4年かかがりで「リング」に取り組むというので、先月に続き出かけてきた。

                    で、その成果...期待していたが、それ以上の素晴らしい仕上がりだった。

                     

                    「リング」といえば、演出家にとって「さて、どんな解釈で仕上げようか」とワクワクすることこの上ない楽しみかもしれない。しかし、観る側にとっては凡庸な演出は飽きてしまうが、かといってあまりな”超演出”は勘弁をと思うことしきりではなかろうか。

                    また最近の映像技術の進歩で不可能なことはないと思われる中で、技術に頼りすぎるのも見る側の想像力を奪ってしまうような気がする。

                     

                    今回演出のミヒャエル・ハンペはプログラムに寄せた「『ラインの黄金』の演出について」の中で、演出家の心情について、「『ラインの黄金』の不思議で超自然的な場面に、何とか適切な解決策を見つけようと格闘するのは、われわれ『びわ湖』の演出チームが最初でも最後でもない。このことはよくわかっているつもりである。われわれが成功したかどうか、成功したとしてもどの程度か、これは『びわ湖』のお客様方に判断していただかなければならないだろう」と語っている。

                     

                    今回の成功の一翼を担う、演出。一言でいえば、台本を忠実に再現する王道を歩みつつ、物理的に困難な場面は映像技術で補完。それによって超自然現象を現実に手繰り寄せるなど、舞台という限られた空間に多様な空間での出来事を持ち込むことに成功したことにある。

                     

                    ・冒頭のラインの乙女は粗い点描画のような映像のなかに乙女が泳いでいると思えば、いつのまにか実物の乙女が現れアルベリヒをあしらっている。

                    ・まさに2、3人分の背丈と恰幅はあろうかというリアルな巨人が現れて歩き、大声を発し、内輪もめし、金塊を運び出す。

                    ・ローゲは大蛇に化けたアルベリヒに絞められそうになったかと思えば、小さな蛙に化けたアルベリヒをいとも容易に捕まえてしまう。

                    ・ついさっきまで語り合っていた神々がヴァルハラにかかる虹を歩いて入場を果たす。

                    これらは一場面の一例にに過ぎないが、わずかな時間の中で行き来する映像と現実に、聴衆が違和感を感じることなく没入できたことは確かだ。

                     

                    キャストも水準以上の出来。その中でも印象に残ったのは、フライア役の砂川さんとローゲ役の西村さん。

                    お二人ともワーグナーはどの程度経験があるのかは定かでないが、力強く張りのある、真っ直ぐな声は魅力的。特に砂川さんは前にも書いたが声質が劇的に変わった感。一皮むけた印象大。

                     

                    オケは京響だが大奮闘。2時間半という長丁場ながら途中で弛緩することもなく、音のバランスが崩れることもなく最後まで緊張感を持続していたのは称賛されるべき。

                     

                    しかし最大の功績者はやはりマエストロ沼尻だろう。

                    一音もぶれない序奏から始まって、次々に音楽が流れていく中でも全く動揺せず、一定のリズムを刻んでいく。抑揚のある場面でも力みすぎず激情的になりすぎない、抑制された盛り上げ方だ。

                    別の見方をすれば「もっと音のうねりを、音の圧を」と望むのかもしれないが、たぶん、劇の流れを大切にしているのではないだろうか。なんといっても全体のバランスは最高だ。それは終演後のマエストロへの嵐のような称賛が証明している。

                     

                    終演後のオケピットを見ていたら2、3人のオケの方が舞台に並んだソリストに向かって、小さな横断幕なようなものを掲げてエールを送っていた。何が書いてあったか知る由もないが、それほどまでに出演者自身もスリリングだった公演だったに違いない。

                    一回でも多くのワクワク感を誰もが味わえば、何かが変化してくるだろう。

                     

                    今後のびわ湖「リング」、益々楽しみになってきた。

                     

                     

                    〈データ〉

                     

                     

                    びわ湖ホールプロデュースオペラ

                    2017.3.4(土) 14:00

                    滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール

                     

                    <ニーベルングの指輪>序夜 ラインの黄金

                     

                    指揮:沼尻 竜典

                    演出:ミヒャエル・ハンペ

                     

                    ヴォータン:ロッド・ギルフリー

                    ドンナー:ヴィタリ・ユシュマノフ

                    フロー:村上 敏明

                    ローゲ:西村 悟

                    ファゾルト:デニス・ビシュニャ

                    ファフナー:斉木 健詞

                    アルベリヒ:カルステン・メーヴェス

                    ミーメ:与儀 巧

                    フリッカ:小山 由美

                    フラアイ:砂川 涼子

                    エルダ:竹本 節子

                    ヴォークリンデ:小川 里美

                    ヴェルグンデ:小野 和歌子

                    フロスヒルデ:梅津 貴子

                     

                    管弦楽:京都市交響楽団

                     

                     

                    【料金】 13,000円

                    | オペラ2017 | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
                    アレクサンドル・ネフスキー@愛知県芸術劇場
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                      先月に続き、「アレクサンドル・ネフスキー」を聴いてきた。場所は名古屋だ。

                       

                      生演奏を聴くのは3回目でもあるため、今回は今まで気付かなかったような弦のトレモロなどが聴こえ、思わず「はっ」とする瞬間も。

                       

                      合唱はグリーン・エコー。名古屋では歴史ある団体のようだが初めて聞かせていただいた。人数は女声90、男声40の130人ほど。

                      力演ではあったが、物足りなさを感じたのも事実。

                       

                      曲から想起される、大地からじわじわと湧き上がってくるエネルギーというか熱気が伝わってこない。そのため音が平板に聴こえてしまい、音のうねりが感じられずじまい。第4曲など、マエストロが盛んに合唱も挑発しているのだが、次のffが出で来ない。たぶん、全曲mfかfで歌ってしまっているので、膨らみ切れないのだと思う。

                      また楽譜の手持ち。東響コーラスのように「必ず暗譜」がいいかどうかは別として、今日のような激しい曲は一部でもいいから暗譜で歌うべきだと思う。中には暗譜されている方もいたであろうが、楽譜の”ガン見”は曲の勢いを削ぐばかりでいいことはない。

                      合唱団には今後のさらなる精進を期待したい。

                       

                      6曲目に出てくるメゾ・ソプラノ独唱。今日の福原さんは1曲目から舞台上に座っている状態だったが、過去3回聴いた演奏の中ではもっとも詩の意味を導き出した歌いっぷりだった。

                       

                      ショスタコもハチャトリアンも指揮者、オケともきりり!と引き締まった好演だっただけに、メインプロでの消化不良感が残念だった。

                       

                      P.S. ハチャトリアンのフルート協奏曲ってどんな曲?と思っていたら、聞き知ったメロディーが...プログラムをよく見ると、確かにヴァイオリン協奏曲の編曲と書いてある。

                      去年聴いたユリア・フィシャーの演奏も凄かったが、今日のフルート版も緊張感漲る、素晴らしい演奏だった。

                       

                       

                      〈データ〉

                       

                      名古屋フィルハーモニー交響楽団 第443回 定期演奏会

                      2017.2.25(土) 16:00

                      愛知県芸術劇場 コンサートホール

                       

                      ショスタコーヴィチ:交響詩「十月革命」

                      ハチャトリアン:フルート協奏曲(ヴァイオリン協奏曲の編曲)

                      プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」

                       

                      【料金】 A席 5,100円

                      | 声楽曲2017 | 22:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
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