飯守×ベートーヴェン3@オペラシティ
- 2010.11.11 Thursday
- 23:57
シリーズの3回目。
序曲からエンジン全開。いい意味でマエストロのやりたい放題、縦横無尽の指揮ぶりは凄かった!
言わずもがなだが、マエストロは意図して派手な指揮で聴衆を喜ばせるような大根役者のようなことはしない。その指揮ぶりはいつでも同じ。
全曲を見通した中で、作曲家の意図するところを汲み取り、理解した最上の表現の結果だ。体内から溢れ出たマグマが指揮棒を通じて目前の音との真剣勝負を繰り広げる。それも深い愛情を持って...
続く1番。序曲に圧倒された後でもあり、余計古典的な香りが漂うがそこはマエストロ。小気味よいリズム感がいきいきとして伝わってくる。これから大海原に乗り出す若者の心境か?
第3番。冒頭の2発の音。一般的によくあるのが何も考えていないような「♪バン ♪バン」。しかし今日の演奏は実に理性的にコントロールされた音だ。あとは自然体で無理なく音が流れていく。
聴きどころは第二楽章の葬送行進曲。何回も聴いてるが、ところどころに後のワーグナーやブルックナーの響きを感じたのは初めてだ。そして曲は感動的な終楽章へ。
終演後の聴衆の「ブラーボ」もシリーズ中で最大だったことも、今日の演奏がいかに聴衆に受け入れられたかを物語っている。
オケも獅子奮迅のガンバリ。特に木管はいづれも完璧!見事だった、美しかったぁ~
コンマス松野さんの全身全霊を込めた引きっぷりにも感動...
終演後関係者で、マエストロの旭日小綬章受賞のお祝い。ちょこっとお邪魔させていただいて、マエストロと握手も。
冷静になって考えてみた。
毎日日本中であまたの演奏会が開催されている。商業的な理由、あるいは聴衆のすそ野を広げる等々あろうが、もちろんそれ自体は好ましくないことではない。それだけゆとりがある証拠だ。
しかし、その中身は玉石混交。ホンモノに触れる機会ががどれだけあるかが真の豊かさに通じると思う。
いまの日本で曲の真髄に迫れるだけの指揮をできる人がどれだけいるだろうか?いたとしてもどれだけ聴衆が触れる機会があるだろうか?
マエストロの指揮、今日の演奏会、そしてこのシリーズはその貴重な機会だ。
マエストロにはもっともっと活躍していただき、われわれに音楽を通じた感動を、生きていることのすばらしさを味わわせてほしい!!! 佐渡さんが来年?ベルリン・フィルを振るらしいが個人的な夢としては近い将来、マエストロにも振ってほしいなぁ~
ただただ感謝あるのみの演奏会だった。
〈データ〉
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第243回 定期演奏会
東京シティ・フィル創立35周年記念
ベートーヴェン交響曲シリーズ 第3回
2010.11.11(木) 19:00
東京オペラシティ コンサートホール
「レオノーレ」序曲 第3番
交響曲 第1番
交響曲 第3番「英雄」
指揮:飯守 泰次郎
【料金】 B席 4,000円
序曲からエンジン全開。いい意味でマエストロのやりたい放題、縦横無尽の指揮ぶりは凄かった!
言わずもがなだが、マエストロは意図して派手な指揮で聴衆を喜ばせるような大根役者のようなことはしない。その指揮ぶりはいつでも同じ。
全曲を見通した中で、作曲家の意図するところを汲み取り、理解した最上の表現の結果だ。体内から溢れ出たマグマが指揮棒を通じて目前の音との真剣勝負を繰り広げる。それも深い愛情を持って...
続く1番。序曲に圧倒された後でもあり、余計古典的な香りが漂うがそこはマエストロ。小気味よいリズム感がいきいきとして伝わってくる。これから大海原に乗り出す若者の心境か?
第3番。冒頭の2発の音。一般的によくあるのが何も考えていないような「♪バン ♪バン」。しかし今日の演奏は実に理性的にコントロールされた音だ。あとは自然体で無理なく音が流れていく。
聴きどころは第二楽章の葬送行進曲。何回も聴いてるが、ところどころに後のワーグナーやブルックナーの響きを感じたのは初めてだ。そして曲は感動的な終楽章へ。
終演後の聴衆の「ブラーボ」もシリーズ中で最大だったことも、今日の演奏がいかに聴衆に受け入れられたかを物語っている。
オケも獅子奮迅のガンバリ。特に木管はいづれも完璧!見事だった、美しかったぁ~
コンマス松野さんの全身全霊を込めた引きっぷりにも感動...
終演後関係者で、マエストロの旭日小綬章受賞のお祝い。ちょこっとお邪魔させていただいて、マエストロと握手も。
冷静になって考えてみた。
毎日日本中であまたの演奏会が開催されている。商業的な理由、あるいは聴衆のすそ野を広げる等々あろうが、もちろんそれ自体は好ましくないことではない。それだけゆとりがある証拠だ。
しかし、その中身は玉石混交。ホンモノに触れる機会ががどれだけあるかが真の豊かさに通じると思う。
いまの日本で曲の真髄に迫れるだけの指揮をできる人がどれだけいるだろうか?いたとしてもどれだけ聴衆が触れる機会があるだろうか?
マエストロの指揮、今日の演奏会、そしてこのシリーズはその貴重な機会だ。
マエストロにはもっともっと活躍していただき、われわれに音楽を通じた感動を、生きていることのすばらしさを味わわせてほしい!!! 佐渡さんが来年?ベルリン・フィルを振るらしいが個人的な夢としては近い将来、マエストロにも振ってほしいなぁ~
ただただ感謝あるのみの演奏会だった。
〈データ〉
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第243回 定期演奏会
東京シティ・フィル創立35周年記念
ベートーヴェン交響曲シリーズ 第3回
2010.11.11(木) 19:00
東京オペラシティ コンサートホール
「レオノーレ」序曲 第3番
交響曲 第1番
交響曲 第3番「英雄」
指揮:飯守 泰次郎
【料金】 B席 4,000円