第九@東京文化
- 2012.12.28 Friday
- 23:13
仕事で、10月半ばから2か月近く完全休団(退団?)。これまで様々な評価?を得てきた団の、現在進行形の実力を聴く機会を得た。
誤解を恐れず言えば、子どもを傍で心配する親の心境。納得の演奏して、お客様に喜んでもらって。。。
第一楽章から第三楽章までは何の懸念もなかった。ベートヴェン全曲シリーズで高い評価を得た、マエストロの端正極まりない演奏。ただ、いいとか悪いとかの問題ではないが、音が乾いていたのは気のせいか?粘っこいというより、シンプルな響きだ。
そしていよいよ第四楽章へ。団員は100人程度だが、音が見事にに鳴っている!市民合唱団にありがちな、ガナリはまったくなし!お互いにハモルことだけを考えて音作りをしてきた成果だ!
一昔前?なら、第九と言えば、もっと”音の圧”で圧倒されたいと思う聴衆がほとんどであろう。今日の聴衆の中にもそれを期待してきた方もいるだろう。しかし、これが本来的な第九の演奏、今日的にも受け入れられる演奏スタイルなのではないかと思った。なぜか?音が自然に体の中に染み入ってくるからだ。
ソリストも実力発揮。佐々木さんや小山さんは安定感ある歌唱(後で聞けば、佐々木さんは直前まで本調子でなかったらしいが。。。)このごろ勢いのある望月さん、飛ばしすぎ?と思えるくらい気合十分な歌唱。オランダ人やパルジファルを見事歌い切った大沼さんは、第九に慣れれば問題なし!
演奏後の「ブラーヴォ!」自分が体感した中では、ここ数年で一番飛んでいた。お客様は正直です。
〈データ〉
東京シティフィルハーモニック管弦楽団 第九特別演奏会
2012.12.28(金j) 19:30
東京文化会館
指揮:飯守 泰次郎
ソプラノ:佐々木 典子
メゾ・ソプラノ:小山 由美
テノール:望月 哲也
バリトン:大沼 徹
合唱:東京シティ・フィル・コーア
【料金】 C席 3,000円