ショスタコ4番@サントリー

  • 2014.10.24 Friday
  • 22:48
なぜかわからないが、ショスタコーヴィッチを生で聴きたくなった。
これまで5番以外はほとんど聞いたことがない。お勧めと言われるコンドラシン盤の全集を持っているにもかかわらず、である。
そんな折、日フィルがラザレフで成果をあげているとの情報もあり、早速出かけた。

今日のメインプロは「交響曲第4番」。
いきなり鉄琴の連打から曲は始まった。様々に移り変わる主題、これがテーマと思いきや別のテーマに...そんな様子が全曲を覆い尽くしているかのよう。喜怒哀楽とも違う、感情の不安定ささえ窺える曲の構造。
プログラムノートの解説を読むと、複雑な状況下にあった時代の曲のようだ。彼の言葉によれば、「懺悔の代わりに」この曲を書いたと言う。
そうか...。聴き終わってみると、「思いがけないことを言われて、どう心を整理していいかわからない状態」と同じ気持ちの自分がいた。ショスタコ初心者にとっては、重すぎた曲だった。

前半の「弦楽セレナーデ」。
これまでの繊細なたっぷりと抒情を込めた演奏とは対角にある、まるでシンフォニーかと聴き紛う演奏スタイル。人それぞれ好みがあるが、個人的には抒情的な性格を好むため、今日の演奏はちょっと...もっと別のアプローチができたのではと思った。

また、気になったのは、ラザレフ氏のショーマンシップ?
その経歴を見ると天才的な感覚を持っている方とは思うが、「弦楽セレナーデ」終了後の聴衆への過度のアピールはなんなのだろう? 感極まってそうなったのか?いつもなさるのか?わからないが、指揮者が定期演奏会であれほどまでにするのを初めて見た。見ていて気持ちのいい場面とは言い難い。あたりまえの話だが、演奏の良し悪しは聴衆の判断に任せるべきだ。

〈データ〉

日本フィルハーモニー交響楽団 第664回 東京定期演奏会
2014.10.24(金)19:00
サントリーホール

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ
ショスタコーヴッチ:交響曲第4番

指揮:アレクサンドル・ラザレフ

【料金】 B席 5,700円

 

千人@神奈川県民ホール

  • 2014.10.05 Sunday
  • 23:52
ウタ友が合唱で参加する「千人」に行ってきた。場所は神奈川県民ホール。
ひと昔前は「横浜でクラシックといえば県民ホール」で何回となく通った記憶があるが、最近はみなとみらいホールに押され気味。プロオケの定期もなくなってしまったようだが、リニューアルと開館40周年を記念しての企画事業だ。
「合唱団員募集」のアナウンスを知った時は、正直心が動いた。しばらく「千人」を歌ってないし、今後あと何回歌うチャンスがあるか???なので...しかし、結果的には諸事情で諦めた。

新装なった会場内に足を踏み入れて驚いた。合唱だけで500人近いというのは聞いていたが、舞台上の山台(実際はやぐらを組んだそうだが...)の高さっていったら天から見下ろすほどだ。人によっては足がすくんでしまわないか心配なくらいだ。実際に人が並んでみると、まさに壮観。一般的な「千人」の演奏会では合唱は多くて250人程度のため、これほどの合唱を見るのは当面ないだろう。

さて、いよいよ現田さんのタクトが振り下ろされた。
”Veni, Creator spiritus" 人数が人数だけに迫力十分。しかし、これまで聴いた「千人」とは明らかな違いがある。
それは「ここぞ!」とばかりに、ハーモニーも気にしない、独りよがりな声の”暴発”が皆無なのだ。心地いい音圧を全身で受け止めたい感覚。なにか大きな抱擁感に包まれた、至福の瞬間。warm heart,cool headの実践だ。
アマチュアなら、いやプロでも、この冒頭を思いっきり歌いたい!との衝動は痛いほどわかる。それほどのエネルギーを充満させている曲である以上、当然だ。しかし、真摯な音楽づくりに徹して、ハーモニーを尊重したこと。これは指導者の指導が相当徹底されたに違いない。この部分を聴いただけでも、今日来た価値がある。また、怒涛のAccende...では溜めのかわりに?現田さんがジャンプして着地でタイミングを計るよう。あっと言う間に駆け抜けた第1部だった。

肝心の第2部。冒頭の男声合唱Waldung, sie schwankt heran...うーん、相変わらず難しい。chorとchorの男声がそれぞれ3部に分かれるうえ、3部のalltoまで加わり、音がとりにくい。また、パート間の受け渡しもあるため、流れを作ることが必須。怪しい箇所もあったが、なんとか切り抜けた感がある。その後のGerettet ist das edle Glied...歌えてはいるが、もうすこしの躍動感がほしかった箇所だ。そして最終のAlles Vergangliche, Ist nur ein Gleichnis。曲の締めくくりにふさわしい、堂々たるもの。ここでも心地いい音圧に酔いしれた。

子音を飛ばすこと、第1部でもっと起伏を作ることなどなど、合唱への求めは他にないではない。しかし、これだけの大所帯で、集中力を欠くことなく、弛緩のない合唱ができたことは称賛に値する。
菅さんの栄光の聖母も完璧に決まり、バンダも大活躍。これら多様な要素を含むこの作品を纏め上げた現田さんの力量も並々ならぬものがある。

2年ぶりに聴いた「千人」は、満足のいく充実した演奏会だった。

〈データ〉

神奈川県民ホール リニューアル&開館40周年記念
2014.10.5(日) 15:00
神奈川県民ホール 大ホール

マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

指揮: 現田 茂夫

ソプラノ機丙畤爾女):横山 恵子
ソプラノ供焚悟する女):並河 寿美
ソプラノ掘扮標の聖母):菅 英三子
アルト機淵汽泪螢△僚):竹本 節子
アルト供淵┘献廛箸離泪螢◆法Ь野 和歌子
テノール(マリアを崇める博士):水口 聡
バリトン(恍惚の神父):宮本 益光
バス(深淵の神父):ジョン・ハオ

管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱:県民ホール特別合唱団、湘南市民コール、洋光台男声合唱団、神奈川県立湘南高等学校合唱部、神奈川県立大和西高等学 校合唱部、神奈川県立海老名高等学校合唱部、
児童合唱:小田原少年少女合唱隊
 
 

グレゴリアーナ・フィル@前橋市民文化会館

  • 2014.09.20 Saturday
  • 22:52
ウタトモ&指揮者の箕輪さんがブルックナーを指揮するというので、前橋まで出かけてきた。

オケは群馬大学の卒業生有志が結成した団体を母体として発足し、年1回の定期演奏会に向けて精進を重ねているとのこと。
社会人ともなると練習日程を合わせるのも大変だろうし、遠くは岐阜から参加した方もいるとの話。

正直、「ここの出来は???」という箇所もあったが、輝きを放っていた箇所も随所にあった。特に「魔笛」序曲の颯爽とした躍動感とブルックナーの第四楽章の重くならない解放感は秀逸。

箕輪さんの指揮は大振りすることなく楽団の自発性に任せつつも、「ここぞ!」というときには明確な指示出しを行うタイプ。それが功を奏したのか、聴衆が求めるところで求められる響きを作り出していたことは、指揮者の意図が楽団員に浸透していたことの証であろう。

今後の活躍が楽しみだ。


〈データ〉

グレゴリアーナ・フィルハーモニー管弦楽団 第10回 定期演奏会
2014.9.20(土) 18:30
前橋市民文化会館 大ホール

モーツァルト:歌劇《魔笛》序曲
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》(ハース版)

指揮:箕輪 健太

 

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