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トノの音楽そぞろある記

歌と音楽に関するコンテンツです
ラインの黄金@オペラパレス
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    いよいよ始動した、芸術監督自らの指揮による「リング」。その初日に行ってきた。

    何より印象的だったので、終始「生きている音楽」が流れていたことだ。
    マエストロの卓越した洞察力は劇をグイグイ引っ張り、紡ぎ出され醸し出される音は見事なまでに言葉とシンクロしながら、その細部まで描写していく。字幕を見ながら「音楽が言葉を表現している」ことに「そうか、そうか」と何度頷いたか。。。
    音が素直に体にしみこんでいく感じがなんとも心地いい。音楽が言葉を離れて独り歩きしているのではなく、寄り添うように歩んでいるといってもいいだろうか。

    この大曲、そんなには聴きこんでないので歌手の出来不出来の言及は避けたい。ただ、海外キャストはとにかく演技が上手いという印象は強く持った。第三場のアルベリヒが権力に酔いしれる場面などはその最たるもの。
    見るほうも当然期待値はある。欲望や嫉妬など人間の持つ様々な面が、その期待値をはるかに超える表現がされてこそ見る者の共感が得られるのではないだろうか。

    今回のプロダクションは1996年フィンランド国立歌劇場(ヘルシンキ)の制作によるとのことだが、「リング」の場合はシンプルなのがいいい。個人的には違和感なく、好意的にとらえることができた。
    些細なことだが、ファフナーに殺されたファーゾルトが最後まで舞台上に突っ伏していたのはどうかな?と最初思った。単純に考えれば、殺られた勢いでなだれ込むよう舞台袖に姿を消してもいいのでは?と。しかし、最後まで見ると、舞台のバランスを考えて残したのかな?とも思った。ヴァルハラに入場する神々が正面右上、その対角線上の左下にいるのが突っ伏しているファーゾルト。さて、どうなんでしょう???

    東フィルも最後まで緊張感を失わず安定感ある音を出していたのは流石。ただ、音の分厚さを求めるとやや不満も残る。もしやこれはこの会場がもつ構造にでもよるのだろうか?何回か聴いているが、このホールには豊饒な響きが足りないような気がしてならない。仮に東京文化会館で演奏したらどうなんだろうか?と考えてしまう。

    いづれにしても物語は始まったばかり。マエストロには健康への十分な留意をお願いし、引き続きワーグナーを聴く喜びを味わわせていただきたい。


    〈データ〉

    楽劇「ニーベルングの指環」序夜『ラインの黄金』 全1幕
    2015.10.1(木) 19:00
    新国立劇場 オペラパレス

    指揮:飯守泰次郎
    演出:ゲッツ・フリードリヒ

    ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
    ドンナー:黒田博
    フロー:片寄純也
    ローゲ:ステファン・グールド
    ファーゾルト:妻屋秀和
    ファフナー:クリスティアン・ヒュープナー
    アルベリヒ:トーマス・ガゼリ
    ミーメ:アンドレアス・コンラッド
    フリッカ:シモーネ・シュレーダー
    フライア:安藤赴美子
    エルダ:クリスタ・マイヤー
    ヴォークリンデ:増田のり子
    ヴェルグンデ:池田香織
    フロスヒルデ:清水華澄

    管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

    【料金】B席 15,120円
     
    | オペラ2015 | 23:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
    フラーヴィオ@東京文化
    0
      「ジューリオ・チェーザレ」に続く、ヘンデルのオペラ第二弾があるというので、東京文化会館へ行ってきた。

      その作品は「フラーヴィオ」。もちろん初めて聴く機会だ。
      あらすじはというと...
      愛し合う二人はともに国の重臣を父にもつが、とあることから彼女の父親を殺めたしまった彼。彼はのち自分の過ちを認め彼女に「自らに死を」と求めるが、彼女はどうしてもできない。そこへ現れた王の粋な計らいで彼女は彼を許し、取り巻く男女もお互いの思い通りになり、みんなハッピーハッピー!!

      ソリストでは王を演じた村松さん、愛し合う男女を演じた上杉さんと加藤さんがいい仕事をされていた。力強い、伸びやかな声で作品を引っ張った感がある。特にカウンターテナーは普段それほど聞く機会がないが、オペラで聴くとまったく違和感がなく「なるほど」と思ってしまった。他方、オケはもっともっとキレがほしかったが...

      ストーリーはなんとも他愛もないものだが、そこがヘンデルの明るい音楽と相まって、聴き終ったあとなんともいえない幸せな気分。オペラには劇的なものを求め、非現実的な世界を体験したいとは思っているが、こうした”癒し系”もいいもんだ。
      動きが急激過ぎる最近の世の中。ついて行くのも大変で、疲れている人も多いのでは?。本場ヨーロッパではヘンデルのオペラは好んで取り上げられるというが、そんなとこにも理由があるのかもしれないと勝手な見当。
      個人的には、ヘンデルのオラトリオをもっと演奏してほしいが、もしかしたらオペラのほうが可能性があるかも?


      〈データ〉

      日本ヘンデル協会 コンサートシリーズ Vol.18
      2015.7.17(金)18:00
      東京文化会館 小ホール

      ヘンデル:オペラ「フラーヴィオ」

      村松 稔之(CT):フラーヴィオ
      上杉 清仁(CT):グイード
      加藤 千春(S):エミーリア
      小倉 麻矢(S):テオダータ
      平野 香奈子(S):ヴィティージェ
      福島 康晴(T):ウゴーネ

      【料金】 自由席 7,000円


       
      | オペラ2015 | 22:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
      ジューリオ・チェーザレ@新国立劇場
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        ヘンデルのオペラ。「メサイア」に代表される20を超えるオラトリオよりはまだ演奏される機会があるとはいえ、日本では希少価値の部類に入る分野だ。それも新国立での上演とあっては逃すわけにはいかない。

        ”overture”が始まった。きびきびとした冴える演奏、なんと心地いいことか。さすがヘンデル!
        物語はクレオパトラとチェーザレが苦難を乗り越えて愛を誓い合うというもの。これだけ聞けば「よくある話。またか...」なんて思う方も多いはず。しかし現実はさにあらず。
        レチタテーヴォも多く、有名なアリアがあるわけではない。そうであるからこそ、作品の真価や歌手の力量がストレートに試されるような作品だ。

        最も印象的だったのは、クレオパトラ役の田崎さん。
        作品の演出か、愛くるしい、チャーミングなクレオパトラ役は見事!まるで、AKBのこじはるが演じているいるかのような(まったくそっちの分野はわからないので勝手な想像ですので...)キュートさ。終始安定した、伸びやかで明るいと歌唱と相まって、チェーザレのみならず、聴衆の心を鷲掴みにした感。
        アッキラ役の勝村さんは声の響きや奥深さでは他を寄せ付けない圧倒的な存在感。同じ声部として魅力極まりない。トロメーオ役の福間さんも舞台狭しと動き回りながらアリアを歌うというシンドイ状況で、その魅力を十二分に伝えた。
        そしてマエストロ鈴木。長く聞き慣れない作品を最後まで緊張感をもって引っ張った牽引力は並々ならない力量だ。

        初めてヘンデルのオペラ聴いてみて感じたこと。
        上演時間は2回の休憩を挟んでの3時間半弱。だが、長いとは感じなかったのは、身の丈の喜怒哀楽を散りばめ、聴衆を飽きさせないエンターテインメントに徹した作品作りにあるのではなかろうか。ヘンデルの巧みさを感じる。
        また、音楽に力があることは大前提だが、バロックのオペラこそ、演出の如何によって作品の受け止め方が大きく違ってくる。この作品が欧米でどんな演出をされるのかわからないが、今回の演出が聴衆を舞台にくぎ付けにしたことは確かだろう。
        奏者と聴衆との関係もよかった。アリアの後の拍手の終わり方も実に自然。何回かマエストロが次曲に入りたいけど入れない状況もあったが、聴く側も拍手は手短に終わらせる姿勢がありあり。

        会場には普段のオペラ上演に比して多くの若者が集った。主役がこれからの世代が多いためその応援かもしれない。が、メジャーとは言えない今日の演目に満員の聴衆が聞き惚れ賞賛の嵐を捧げたことは、今後の新たな流れに繋がると大いに期待したい。
        なんとも晴れやかな気分になる一夜だった。


        〈データ〉

        二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
        2015.5.23(土) 17:00
        新国立劇場 中劇場

        ヘンデル:ジューリオ・チェーザレ
         オペラ全3幕 日本語字幕付き原語(イタリア語)上演

        ジューリオ・チェーザレ:杉山 由紀
        クレオパトラ:田崎 美香
        セスト:今野 絵理香
        コルネリア:池端 歩
        トロメーオ:福間 章子
        アキッラ:勝村 大城
        クーリオ:杉浦 隆大
        ニレーノ:西谷 衣代

        指揮:鈴木 秀美
        管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

        【料金】 S席 10,000円






         
        | オペラ2015 | 10:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
        ワルキューレ@東京文化
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          昨年から始まった、東京春祭の「ニーベルングの指輪」。今日は第1日の「ワルキューレ」。
          名演と呼ばれた昨年の「ラインの黄金」は聞き慣れていないせいか、その凄さがいまひとつわからなかったが。。。
          今年はもう結論を書いてしまおう。ワーグナー演奏の本質を見せてくれた、至極の演奏だった。

          まず、ソリストが並々ならぬ実力者ぞろい。ヴォータンといい、ジークリンデといい、フリッカといい、「よくぞ揃えた」という感じ。
          第一幕のジークムントとジークリンデ。
          ディーン・スミスは敢えて言えばもっと「力強さ」と「飛翔感」がほしい気がしたが、水準以上であることは確か。マイヤーも途中の高音部でセーブしたのか?あいまいになる個所があったものの、もちろんハイレベルでのお話。1時間を超える長丁場を難なく歌い切った。インスンの図太い声もいい。
          第二幕、キャスト勢揃いの魅惑の幕。
          ここでのマイヤーは本領を発揮。一頭地ぬけた歌唱と演じる力の確かさは想像以上のもの。シリンスのハリのあるキビキビしたバリトンに「あんな声で自分も歌えたら...」と聞き惚れてしまった。フォスターは有名な「Hojo-to-ho! Hojo-to-ho!...」を普通に歌っているが、普通は”普通に歌えない”個所だ。
          なかでもあえて声的に印象深かったのはクールマンの歌唱。太く芯のある直線的な声は相手の胸元にズシンと突き刺さるかのようだ。これこそワーグナーが求める声の響きなのだろう。
          第三幕
          シリンスの勢いは全く衰えず絶好調。マイヤーも長い沈黙の後、平然と歌いだせるさまはすべてのコントロールが完璧にできている証。

          そんなソリスト陣を難なくまとめあげたのがヤノフスキ。
          部分的な高揚感があろうがなかろうが、大振りすることなく初めから終わりまでの指揮ぶりはまったくかわらない。しかしオケから紡ぎだされる音はその場面にあった豊かな響きであり、途切れることはない。俯瞰的に全体を眺め、すべてを手中に収めた上でなければこんなことはできない。

          今日の演奏会を一言で言い表すと「熟達した者だけがなしうる音の競演」だ。
          オペラはもちろん演奏会では、指揮者もソリストも当然「お互い合わせよう」という意識で臨んでいるはず。今日の演奏会だって当然そうであろうが、客席から見るとそんな感じは微塵も感じられない。いわゆる「合わせてます」的な動きや一瞬の”ため”がまったくないのだ。
          それぞれが自分の仕事をきっちりこなしたうえで、結果的に本来意識しているであろうことを意識せずに伸び伸びと演奏している。言葉を変えれば、無意識のうちに相手の意図することを汲み取って入り込んでいっている。その結果、音楽が澱むことなく自然に、そして伸びやかに流れていく。「この曲は何十回と演奏しました」だけでは到達しえない、異次元の世界。

          ヤノフスキ恐るべし!早くも来年の第2日が待ち遠しい!


          〈データ〉

          東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.6『ニーベルングの指環』第1日《ワルキューレ》
          (演奏会形式/字幕・映像付)
          2015.4.7(火) 15:00
          東京文化会館 大ホール

          指揮:マレク・ヤノフスキ
          ジークムント:ロバート・ディーン・スミス
          フンディング:シム・インスン
          ヴォ―タン:エギルス・シリンス
          ジークリンデ:ワルトラウト・マイヤー
          ブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター
          フリッカ:エリーザベト・クールマン

          ヘルムヴィーゲ:佐藤路子
          ゲルヒルデ:小川里美
          オルトリンデ:藤谷佳奈枝
          ヴァルトラウテ:秋本悠希
          ジークルーネ:小林紗季子
          ロスヴァイセ:山下未紗
          グリムゲルデ:塩崎めぐみ
          シュヴェルトライテ:金子美香

          管弦楽:NHK交響楽団 (ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル)

          【料金】 B席 12,400円

           
          | オペラ2015 | 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
          オランダ人@新国立劇場
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            今シーズンからオペラ部門の芸術監督になった、マエストロ指揮の第二弾!オランダ人を聴いてきた。それなりに期待していったのだが...

            ピットのオケは東響。序曲が始まり演奏は続くが、「これって、ほんとにワーグナー???」て思ってしまうくらい、音の響き、広がり、力強さなどなど、すべてが足りない感じだ。
            一言でいえば「楽譜通り弾いてます」っていう演奏で、音を置きに行っている感じ。安全運転で、”音への食い付き”が足りないため、面白さが微塵も伝わってこない。「こんな凡庸な演奏を聴きに来たのではない!」と叫びたくなるくらいだった。
            歌手陣も悪くはないが、飛びぬけてもいない。そんなこんなで、休憩前の前半は合唱の素晴らしさに救われた感さえあった。

            休憩後の後半。冒頭の「糸紡ぎの歌」は上々の出来。続く「ゼンタのバラード」も欲を言えばいま一歩。もっと「狂気」というか「狂おしさ」がほしかった。これは、のちに続くゼンタとオランダ人との永遠の愛を誓い合う歌にも通じる。
            ここでも、ある程度のボルテージは上がるのだが、突き抜ける高揚感、迸る熱気が感じられないまま終わってしまった。
            しかし、前半よりは盛り返し、さすがに最終場面では息つかせぬ緊張感が漲っていたが...

            総じては、残念ながらマエストロの演奏としてはいただけない感が残った演奏だったが、来シーズンはいよいよ「リング」が始まるらしい。こちらに期待したい。

            P.S. 素晴らしい合唱の数々を聴いて、約2年半ほど前、マエストロの指揮でアマオケながら合唱でこの曲の演奏に参加した時のことを思い出した。その感想は...
            「よくぞこんな難しい曲に挑んだものだ。今だったら、とてもじゃないけどある意味無謀な行ないだよな」


            〈データ〉

            新国立劇場 2014/2015 シーズンオペラ
            2015.1.28(水) 19:00

            ワーグナー:さまよえるオランダ人

            指揮:飯守 泰次郎
            ダーラント:ラファウ・シヴェク
            ゼンタ:リカルダ・メルベート
            エリック:ダニエル・キルヒ
            マリー:竹本 節子
            舵手:望月 哲也
            オランダ人:トーマス・ヨハネス・マイヤー

            管弦楽:東京交響楽団

            【料金】 10,800円
            | オペラ2015 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
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