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トノの音楽そぞろある記

歌と音楽に関するコンテンツです
イワン雷帝@NHKホール
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    演奏会開催の情報を知ったとき、「来た!きた、キター!」というのが正直な感想だった。この曲はおもしろい!と何回かこのブログでも書いたが、遂にだ...

    何せ、この曲は今から35年前、自分のクラシックへの扉を開いてくれたデビュー曲なのだから思い入れもひとしお!加えて日本での演奏は「滅多にない」うえ、今回の指揮が最近活躍著しいソヒエフなのだからたまらない!

    そんな大きなる期待を胸に会場へ向かい、演奏を聴いた感想はと言うと...

    うーん...期待があまりにも大きすぎたのか、正直言うと個人的には満足とは言い難いかった。一言で言えば、きれい纏まってはいたが、面白さが物足りない。

     

    まず、決定的だったのが曲のテンポ。

    全体的にやや遅い感じでこれがソヒエフのテンポ感だろうが、自分の思い描くのはもっとAllegroに近いもの。語りに続く冒頭の「序曲」からして自分から見れば「ゆったり感」であったため、やや拍子抜け。ここはもっとキビキビとした演奏であってほしかったし、他の一部の曲も望む以上の速さではなかったのは惜しい。速さは緊張感を生むと思うが...

     

    そして意外と少なかったのが音のうねりを感じさせてダイナミックさ。

    全20曲、一曲ごとに個性的な曲であり、その気になれば如何様にも描き分けることができる思うのだが、それが少ないために没個性の塊のように、平板になってしまった。これでは曲全体の面白さも半減してしまう。

     

    また、合唱は総勢140名ほど(男声40、女声60、児童合唱40)。きれいには歌っていたが、この曲はきれいに歌うことだけをは求めていない。求めているのは一番は「躍動感」であり、「荒々しさ」、時には「野蛮さ」、時には「清らかさ」だろう。たとえば、「序曲」の合唱は一音一音ごとsfを刻むぐらいでなければ面白くない!また、「白鳥」はもっともっと女声陣が華やかさを出さなければ...

     

    語りの片岡愛之助さんは冒頭オケと被ってしまい、語りの内容ははっきりと聞き取れなかった以外は徐々に調子が乗ってきて、健闘したと言えよう。

    35年前の時はバス歌手の岡村喬生さんだったが、この曲の語りは劇をリードする重要な役割がある。

    聴き終わって改めて考えてみると、一応音楽上「オラトリオ」という範疇には入っているが、「独唱、合唱、オーケストラを伴った一人芝居」と言ったほうが曲の面白さを伝えるには適しているのではないかと感じた。

    例えば、若かりしころの江守徹さんや平幹二郎さん級の方を「語り」に迎えて演ったら、面白さ100倍になるのではないだろうか。

     

    できることだったら、出演者の方全員に、オリジナルの「イワン雷帝」を見ておいてほしかった。あの、ある意味不気味な、毒々しいエイゼンシュテインのたぐいまれな映像技術を見たら、今日の演奏はがらっと変わっていたことだろう。

     

    今日聴いたのは2006年9月のデプリースト指揮都響による演奏以来なのだから、なんと11年ぶり。となると次は11年後???

    海外に行けばもっと聴けるチャンスは増えるが、「語り」は日本語で聴きたいことを考えると、ぜひ再び、近い将来、国内で演奏してほしい。そう願いながら"予習”のためにCDに手が伸びてしまった。

     

    P.S.独断的お薦めCD

    やはり、ムーティ指揮のフィルハーモニア(1977年)が断トツ。語りがロシア語であり演じ方も抜群!オケも合唱もキビキビ。ムーティの劇的な音楽づくりも素晴らしい!スラトキン&BBC響のプロムスライブ(2003年)も、語りは英語だが演奏は悪くない。

    一方、今日のソヒエフやゲルギエフ版もあるがいずれも「語り」はない。

     

     

    〈データ〉

     

     

    第1871回 NHK交響楽団 定期公演

    2017.11.17(金) 19:00

    NHKホール

     

    プロコフィエフ(スタセビッチ編):オラトリオ「イワン雷帝」

     

    指揮:トゥガン・ソヒエフ

    メゾ・ソプラノ:スヴェトラーナ・シーロヴァ

    バリトン:アンドレイ・キマチ

    合唱:東京混声合唱団

    児童合唱:東京少年少女合唱隊

    語り:片岡 愛之助

     

    【料金】 E席 2,000円

     

     

     

     

     

     

     

     

    | 声楽曲2017 | 23:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
    NNTT Young Opera Singers Tomorrow 2017@新国立
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      砂田さんからのお誘いにより、新国のオペラ研修生によるガラコンサートに足を運んだ。

      場所は中劇場。思ったより会場まで時間がかかってしまったので、開演の午後7時に間に合わず、場内に入れたのは2曲目からとなってしまったのは想定外だったが、舞台との距離感も近く歌を聴くには最適な場所だ。

       

      今回は、第18期〜20期の総勢15人が、全体は前半が〈歌曲の部〉、休憩挟んだ後半が〈重唱の部〉の二部にわたって披露するというもの。そして、砂田さんは2番目の登場だったので、席に座った瞬間から聴くことに。。。

       

      印象に残ったのは、贔屓目なしにやはり砂田さんだろう。前半はデラックアの歌曲、後半はメノッティの重唱と、ともに初めて聞く曲だが、歌の魅力を存分に引き出す能力は流石。特にデラックアは彼女のリリコ・レッジェーロを味わうにはいい曲だ。

      また、宮地さんの早坂作品は、”尺八の息づかいそのままを思わせる”とプログラムの作品紹介にあったが、まさにその雰囲気を十二分に伝えることに成功。無音の小節では彼女のかすかな声の振動が天井で響いているという不思議な瞬間を体験もできた。

       

      それにしてもプロの道は始まったばかり。それぞれの夢に邁進してほしいと願いつつ、会場を後にした。

       

      〈データ〉

       

      NNTT Young Opera Singers Tomorrow 2017

      2017.11.14(火) 19:00

      新国立劇場 中劇場

       

       

      <歌曲の部>
       1.G.ヴェルディ: "L'esule"(亡命者)伊良波良真  
       2.E.デラックア: "Villanelle"(牧歌)砂田愛梨   
       3.J.ブラームス: "Wenn ich mit Menschen"(たといわたしが、人々の言葉や御使たちの言葉を語っても)氷見健一郎
       4.H.ヴォルフ: "Die Bekehrte"(心がわりした娘)吉田美咲子  
       5.H.ヴォルフ: "Seemanns Abschied" (船乗りの別れ)高橋正尚    
       6.S.バーバー: "Sure on this shining night", "Sleep now" (この輝ける夜にきっと)(今や眠れ) 十合翔子    
       7..グアスタヴィーノ: "La rosa y el sauce"(薔薇と柳)水野優 
       8.早坂文雄: "うぐひす" 宮地江奈
       9.F.リスト: "Pace non trovo"(平和は見つからず) 荏原孝弥    
      10.R.シュトラウス: "Ständchen"(セレナーデ)西尾友香理

      <重唱の部>
      11.J.マスネ『マノン』より "Toi Vous!"(君!あなたでしたか!)
        平野柚香(マノン)、水野優(デ・グリュー)
      12.G.ヴェルディ『リゴレット』より "Mio padre! Dio mia Gilda!"(お父様!ジルダ!) 
        斉藤真歩(ジルダ)、野町知弘(リゴレット)
      13.G.ロッシーニ『セビリアの理髪師』より "Don Basilio!" (ドン・バジリオ!) 
        十合翔子(ロジーナ)、高橋正尚(フィガロ)、荏原孝弥(アルマヴィーヴァ)、
        氷見健一郎(バジリオ)、伊良波良真(バルトロ)
      14.G.ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より "Il pallor funesto orrendo"(恐ろしく不吉な青白さが) 
        西尾友香理(ルチア)、野町知弘(エンリーコ)
      15.R.シュトラウス『ばらの騎士』より 

         "Wie himmlische, nicht irdische,wie Rosen"(地上のものとは思えぬ天上のばら) 
        吉田美咲子(ゾフィー)、一條翠葉(オクタヴィアン)
      16.G.C.メノッティ『電話』より "Hello this is Lucy~"(もしもし、ルーシーよ) 
        砂田愛梨(ルーシー)、高橋正尚(ベン)
      17.G.ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より "Lucia perdona"(許してくれ、ルチア) 
        宮地江奈(ルチア)、濱松孝行(エドガルド)

       

      Finale

      G.ヴェルディ: 『ファルスタッフ』より "Tutto nel mondo e burla" (世の中全て冗談だ)

       

      ピアノ:河原忠之、岩渕慶子、高田絢子

       

      【料金】 2,160円

       

      | 声楽曲2017 | 23:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
      ポリテク男声合唱団@トリフォニー
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        「無料招待のコンサートがあるんだけど、どう?」と職場の先輩から誘われ、フィンランド・ポリテク男声合唱団のコンサートに出かけてきた。

        そもそもトリフォニーホール開館20周年記念で開催されたが、来日の真の目的は翌日の「クレルヴォ交響曲」演奏のためとのこと。

        人数は60名程度。ある大学のOBが中心となって演奏活動をしており、CDも出しているらしい。演奏はアカペラ。

         

        合唱団が入場し、さあこれから第一曲目と思ってよく見たら、1階フロア前方四隅に男性4人が待ち構えるように立っていた。

        そして、羊を呼び寄せるような「ホォー」との掛け声を発しながら次第に中央に移動。それに呼応するようにほかの3人も交互に掛け声をかけ続け、次第に4人の声が収れんするように合唱となり、舞台上の合唱団本体に溶け込んでいった。これが今日一曲目のIlona Korhonenの「歌で」第一部前編の始まりだった。

         

        団員が舞台下手に立ち、2~3曲づつ、曲の成り立ちや内容を日本語で(たぶんローマ字で書かれたであろう原稿を手に持ってだが...)紹介。演奏が終わると、別の団員が出てきて同じことを行うそんなフレンドリーな演出。また、曲によって何人かの立ち位置も入れ替わる周到さもあり、全14曲、1時間余の演奏会はさわやかな余韻を残して、あっという間に過ぎ去った印象。

         

        特に印象的だった曲を何曲か。。。

        短いフレーズが連続して歌われる "恋人の渡航" 、歌詞はわからないが詩の内容を想像できる曲のイメージがすばらしい "尊い祖国"

        力強さ溢れる "歌手”、ゆっくりとした時間を感じさせる "長い一日が終わる” など。

        そして極めつめは、やはりアンコールの ”フィンランディア"だろうか。われわれが聞いても何か胸が熱くなるのだから、彼らにとっていくばくのものか...

         

        聴衆の厚い拍手を浴びている最中、舞台上からひとりがフロアーに降りてきたので「何が始まるのかな?」と思ったら、さにあらず。彼はカメラを取り出し、舞台上の仲間の雄姿を撮り始めたのだった。なんとほほえましい光景。

         

        P.S. 世界の武満の曲はイメージは判るような気がするが、難解だった。

         

         

        〈データ〉

         

        すみだトリフォニーホール開館20周年記念

        フィンランド・ポリテク男声合唱団

        2017.11.7 19:00

        すみだトリフォニーホール

         

        指揮: Saara Aittakumpu

         

        1. IIona Korhonen: Laululla osa 1 ”Joko mie laulan,laiha poika?"(「歌で」第一部前編 ”わずかな我なのに、歌おうか”)
        2. Jean Sibelius: Venematka (船の旅)
        3. Selim Palmgren:Kuulutuksilta (結婚の唱え)
        4. Tapani Länsiö: Armahan kulku (恋人の渡航)
        5. Toru Takemitsu: Grasss (芝生)
        6. Jean Sibelius: Sortunut ääni (割れた声)
        7. Heikki Klemetti: Oi kallis Suomenmaa (尊い祖国) 
        8. Lotta Wennäkoski: Humina kuiskina (ひそひそ唸り)
        9. Einojuhani Rautavaara: Laulaja (歌手)
        10. Juhani Komulainen: No longer mourn for me (私を悼まないで)
        11. Arthur Sullivan: The Long Day Closes (長い一日が終わる)
        12. Leevi Madetoja: Ilta (夜)
        13. Toivo Kuula: Iltapilviä (夕暮れの曇)
        14. IIona Korhonen: Laululla osa 2 "Suu suella, pää revolla" (「歌で」第二部後編 ”狼は口、狐は頭”)

         

        (アンコール)Jean Sibelius: フィンランディア

        | 声楽曲2017 | 23:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
        The Damnation of Faust@Barbican
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          聞き知っているだけだった「ファウストの劫罰」を歌いきってからもう一年になるのだから、時の移ろいの早さには困ったものだ。

          その魅力に取り付かれてしまってから、「演奏会はないものか?」と日本では望めないため海外に眼を向けてきた結果、今年2月にはリエージュへ飛んだ。

          その後も日程を睨んできたが、ついに「今年の本命」といえる演奏会を見つけたのでやってきた。場所はロンドンである。

           

          初めてこの地に来たのはたぶん20年以上前。それから世の中は大きく変わった。

          しかし、ヒースローから中心部へ向かうPiccadilly Lineから眺める風景-レンガ造りの家から突き出ている煙突、その向こうに広がるどんよりとした曇り空-は、当時と変わらず何事もなかったように同じだった。

           

          滞在の最後の夜に演奏会はあった。場所はBarbican。tubeのBarbican駅を降りて地上に出たとき、初めて来たときの風景を思い出した。「そうだ、そうだ。このトンネル状になっている道を抜けたところがBarbicanだった」と。そしてその時は聴いた曲は「メサイア」だったことも。Barbicanの外観も変わっていなかった。

           

           

          会場内も記憶と違わなかったが、よく見ると客席の高低差が非常になだらかなことを再発見、敷地を十分にとっており圧迫感のないのは居心地がいい。

           

           

          さて、肝心の演奏会。これがこれ以上何を望むかと思える完璧な出来!ここまで合唱、ソリスト、オケが一体となったファウストの演奏は今後聴けるかどうか疑わしいほどで、すばらしいの一言に尽きる。

           

          まず何より、合唱が尋常じゃない。付属のLondon Symphony Chorusで、人数は130人程度、5.5対4.5でやや男性が多い陣容。数々の録音もある実力十分の合唱団だが、その上手さにはとてもいじゃないが敵わない。

          何よりいいのは、塊としての一体感。生命が宿る生き物のようにその中に”個”は見えずに、大きな”個”だけが自由自在に音を繰り出していく。指揮者の棒で縦横無尽にいかようにも変化していく心地よさ。

          そこから感じるのが力みがないこと。合唱の本質を一人ひとりが理解しているからこそなせる業だ。歌いこなれているいることがひしひしと伝わってくるパーフォーマンスの良さだ。

          そのような音の塊が完全にオケと一体化しているのだから、凄みある演奏にならないはずがない。

           

          冒頭の軽やかな「農民たちのロンド」、遥か彼方の天から聴こえてくるような誘いで始まった、前半の山場である「復活祭の合唱」、飲んべえの合唱や地の精と空気の精の合唱、兵士たちの合唱や学生たちの合唱等々、秀演は数え上げたらきりがない。

           

          また、ソリスト陣も充実。この物語の鍵を握るメフィストフェレス役は当初予定されていたのGelald FinleyからChristopher Purvesに交代になったが、十二分な出来で劇を引っ張った。またマルガレーテ役のKaren Cargillはかなりの実力者。「トゥーレの王」もちろんよかったが、ファウストとの二重唱、ロマンスは圧巻の出来。その豊穣な歌いっぷりは心に響く。

           

          そして何よりこの大曲を終始緊張感に満ちたものに仕上げたマエストロRattleは、やはり凄い。

          一曲一曲の中でも音の緩急を織り交ぜて作り上げて行くさまは、曲全体に緊張感を生む源になっているうえに、次曲へのステップへと繋がっている。この好循環が連続しているのが凄さまじい演奏になったのではなかろうか。

          例を挙げると有名な「ハンガリー行進曲」。誰もが最後は高らかな咆哮で期待しているが、彼は咆哮した後、すぅーと音を引き取っている。いわば鳴らしっぱなしで終わらないのだ(これは他の演奏を聴いて検証が必要かもだが...)

          また合唱やオケとの音のバランス感覚も卓越している感がある。

           

          地獄落ちから伏魔殿の怒涛の合唱も終わった後、終局の「天国にて」で思わぬことが待っていた。

          「合唱が少し厚いかな?」と思っていたら迂闊だった。最前列で転落防止柵のため視界が舞台しか見えないため、気がつかなかったが、乗り出してよく見ると舞台下の客席最前列に少年少女合唱団が入場して歌っていたのだった。途中からマエストロも横向きになりながら棒を振ってもいたが...

          マエストロもこの大曲の終曲というよりは、「すべての人は望みを捨てるなかれ、幸せに微笑みかけたまえ」という思いで振っているような気がした。

          そした静かにタクトがおろされて数秒後、会場内から怒涛の拍手が沸き起こった。それはすぐにスランディング・オヴェーションとなっていった。幸せに溢れた時間だった。

           

          今日のような演奏を聴いたら、何か次の機会を得るのが怖いくらいだ。しかしながら改めてこの曲の面白さに惹かれてしまったからには、これからもファウストの追っかけは続くだろう。

           

          〈Data〉

           

          LSO SEASON CONCERT

          Sunday 17 September 2017    6:00PM

          BARBICAN HALL

           

          THE DAMINATIION OF FAUST

           

          Sir Simon Rattle : conducter

          Karen Cargill : Marguerite

          Bryan Hymel : Faust

          Chiristopher Purves : Mephistopheles

          Cabor Bretz : Brander

          London Symphony Chorus

          Tiffin Boys' Choir

          Tiffin Girls' Choir

          Tiffin Childrens' Chorus

           

          price: £20.00

           

           

          P.S.倫敦夜話

           

          現地到着は15日の夕方。やっと落ち着いてテレビをつけると、BBCが「London tube Explusion」と。「あぁ...」と思った後よく聞いてみると起きたのが同日の通勤時間帯。この後犯人と思しき少年らは捕まったが、何事もなきように。

           

          また16日には初めてImperial War Museumを訪れた。和訳名が「帝国戦争博物館」と物々しい名称だが、奇しくも今年は設立してから100年というので、記念関連グッズも所狭しと売られていた。第一次大戦、第二次大戦、そして最近の戦争まで実物も多数展示されていた。

          びっくりしたのはたくさんの人が訪れていたこと。日本でそれに類する施設にどれほどの人が行ったことがあるかを考えれば驚くほどだ。たぶん、”戦い”に対する考え方の違いかもしれないが、歴史の一部に向き合っている姿勢なのだろう。その前に訪れたTate Britain に引けをとらない混みようだ。

           

          しかし当地では関連グッズを売る事にかけては世界一かもしれない。先のImperial War Museum然り、Tate Britain然り、Barbican然り(文具やトートバックなど)。買う人も多くいるので成り立つ商売か。

          | 声楽曲2017 | 23:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
          アレクサンドル・ネフスキー@愛知県芸術劇場
          0

            先月に続き、「アレクサンドル・ネフスキー」を聴いてきた。場所は名古屋だ。

             

            生演奏を聴くのは3回目でもあるため、今回は今まで気付かなかったような弦のトレモロなどが聴こえ、思わず「はっ」とする瞬間も。

             

            合唱はグリーン・エコー。名古屋では歴史ある団体のようだが初めて聞かせていただいた。人数は女声90、男声40の130人ほど。

            力演ではあったが、物足りなさを感じたのも事実。

             

            曲から想起される、大地からじわじわと湧き上がってくるエネルギーというか熱気が伝わってこない。そのため音が平板に聴こえてしまい、音のうねりが感じられずじまい。第4曲など、マエストロが盛んに合唱も挑発しているのだが、次のffが出で来ない。たぶん、全曲mfかfで歌ってしまっているので、膨らみ切れないのだと思う。

            また楽譜の手持ち。東響コーラスのように「必ず暗譜」がいいかどうかは別として、今日のような激しい曲は一部でもいいから暗譜で歌うべきだと思う。中には暗譜されている方もいたであろうが、楽譜の”ガン見”は曲の勢いを削ぐばかりでいいことはない。

            合唱団には今後のさらなる精進を期待したい。

             

            6曲目に出てくるメゾ・ソプラノ独唱。今日の福原さんは1曲目から舞台上に座っている状態だったが、過去3回聴いた演奏の中ではもっとも詩の意味を導き出した歌いっぷりだった。

             

            ショスタコもハチャトリアンも指揮者、オケともきりり!と引き締まった好演だっただけに、メインプロでの消化不良感が残念だった。

             

            P.S. ハチャトリアンのフルート協奏曲ってどんな曲?と思っていたら、聞き知ったメロディーが...プログラムをよく見ると、確かにヴァイオリン協奏曲の編曲と書いてある。

            去年聴いたユリア・フィシャーの演奏も凄かったが、今日のフルート版も緊張感漲る、素晴らしい演奏だった。

             

             

            〈データ〉

             

            名古屋フィルハーモニー交響楽団 第443回 定期演奏会

            2017.2.25(土) 16:00

            愛知県芸術劇場 コンサートホール

             

            ショスタコーヴィチ:交響詩「十月革命」

            ハチャトリアン:フルート協奏曲(ヴァイオリン協奏曲の編曲)

            プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」

             

            【料金】 A席 5,100円

            | 声楽曲2017 | 22:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
            La Damination De Faust@Opera Royal de Wallonie Liege
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              ついに来てしまった、リエージュへ。

               

              「ベルギー第五の都市は?」と聞かれて即座に答えられる人は相当なベルギー通以外無理であろう。それほどまでに我々にはなじみがない街ではあるが、「ファウストの劫罰」が演じられるということを聞いて、遥々その街を訪れることになった。"あの日"からなぜそれほどまでに嵌まってしまったのかは自分でもわからないが...

               

              今回はオペラとして上演されるので演出付。そしてその演出はモーツァルトで一時代を築いたRuggero Raimondiが担当するという。ということで今回はその演出から一言。

               

              舞台上の物理的な構造物といったら、半円柱の工事現場の足場のようなものが一対のみ。あとは映像やロールスクリーン通した光でイメージを描いていく手法が取られた。しかし目で見て感じる限りではオーソドックスを基本としつつ、イメージが膨らむ箇所は独自の世界観で表現していた。

               

              冒頭の"農民たちのロンド"で、農民たちが踊りながら入ってきて歌ったり、"地下酒場"の場面では飲んだくれらしく振る舞うなど、台本を忠実に再現した(というかあまりイメージを広げようがないかもだが...)箇所。ただし、あまりに素直すぎて陳腐化の印象を受けてしまう場合もある。最終の「地獄落ち」の場面。舞台に映し出されたのは鎖状に連なった骸骨。ちょっとイメージが安易のような気がしたが...

               

              また"ハンガリー行進曲"の場面では、戦場の実際の映像(たぶん第一次大戦等)や写真が映し出され、それらから飛び出したように合唱出演者がその場面にあった演技をしていくというもの。中には近撮で目を覆いたくなるような写真もあったりだったが、これも現実の姿を直視させたかったのだろうか。

               

              そんななか秀逸と思えたのが、"Dors...で始まる"地の精と空気の精の合唱〜ファウストの夢"の場面。

              白銀色の衣装を全身にまとった精たちが這うようなかたちで薄暗い舞台上に静かに散らばり、固まり、ファウストとともにその夢を表現しているのだ。身動きさえ困難な状況でのアンサンブル、そして入りと同じく静かに引いていく終曲の場面などは見ごたえ十分。

              今日の合唱、”農民たち”や”飲んだくれ”のように、舞台上でいきいきと歌い振舞う場面もよかったが、むしろこの”精霊たち”や”復活祭の合唱”など、バックコーラスのように舞台上に姿を見せないで歌う場面のほうがより精緻にそして舞台と一体化している感だった。

               

              さて、ソリスト陣。手堅い歌唱で最後まで楽しませてくれたが、しかしなんといってもIldebrando D'Arcangeloが一頭地を抜いているのは明らか。

              この曲上演の成功のポイントの一つは”劇の進行係”的な役割もあるメフィストフェレスの出来如何にあるが、マルチな彼はメフィストフェレスも見事にメフィストフェレスらしく歌ってくれた。歌唱の押し出しや機敏な演技も申し分ない。

               

              指揮者やオケの切れ味が今一歩であったため、”三幕終曲の3重唱”や”地獄への騎行”、そして”地獄落ち”も勢いという面ではもっとほしかったとは思う。しかし、海外でこの曲を体感できたことで、この曲の違った魅力に接することが出来た気がする。

               

              また、このリエージュという街。人口は20万人にも満たない地方都市であるが、歴史的な経緯もあるだろうが、国立のオペラハウスが運営されている。こういった街が他の欧州の街にもあるんだろうなと思う時、当地の人々にとってオペラは日常に存在することを改めて感じた次第。

               

              P.S. 幕上に字幕が...よく見るとフランス語、オランダ語、ドイツ語の3カ国対応。この街の位置関係がよくわかる。

               

               

               

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              Opéra Royal de Wallonie-Liège

              dimanche 5 fevrier 2017    15:00

              Hecter Berlioz:La Damnation De Faust

               

              DURÉE : 2:45

              LANGUE : Français

              DIRECTION MUSICALE : Patrick Davin

              MISE EN SCÈNE : Ruggero Raimondi

              CHEF DES CHŒURS : Pierre Iodice

              ARTISTES : Paul Groves(Faust), Nino Surguladze(Marguerite), Ildebrando D’Arcangelo(Mephistopheles)

               

              【Tarif】 24.50 Euros

               

               

              | 声楽曲2017 | 11:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
              アレクサンドル・ネフスキー@オペラシティ
              0

                「アレクサンドル・ネフスキー」を演るというのでオペラシティへ行ってきた。オケは東響。といえば合唱はもちろん東響コーラス。さてどんな演奏になるだろうか。

                 

                昨年初めて、それも生で聴いたのでメロディーはそれとなく覚えていた。

                 

                7曲から構成されるが第1曲はオケのみ。なんとなく目を閉じて聴いていたら、いつのまにかゆったりとした豊饒な男声合唱の響きが流れてきた。第2曲に入ったのだ。

                「満たされた至福の時」と言ったら大げさだが、こんなに染み入る人の声に感動したのは久しぶりかもしれない。

                第4曲、力強い合唱が曲を引っ張り、カンタータ最大のクライマックスである第5曲へ。「氷上の激戦」という名前がついているとおり、アダージョから戦闘を描写したオーケストレーションが凄まじい。東響も見事なアンサンブルでその”戦い”を描写していた。途中合唱も入ったが、オケにあれだけ鳴らされるとどんな合唱団も聴こえまい。

                第6曲はメゾ・ソプラノ独唱。演奏が始まると舞台上手から歩みだし、終わると場を共有するかのようにそのまま舞台上のイスに座り、終曲の合唱を聴いていた。

                 

                そんな演奏会風景だったが、演奏自体は素晴らしく聴衆の盛んな喝さいを浴びていた。東響ではここ何年かだけみても、すでに4〜5回はこの曲を取り上げているのではという感覚なので、合唱も歌い方がこなれている気がする。

                 

                しかしちょっと冷静に考えると、合唱だけの話をすれば合唱らしい響きが堪能できたのは第2曲のみ。誤解を避けるためにあえて言うが、これは合唱団の出来不出来の問題ではなく、曲の構成だから仕方のない話。

                 

                こういうけたたましい曲はリズムも印象的で確かに派手であるが、後々まで印象に残るかというとどうだろうか?

                昨年の大阪での公演評でも書いたが、声楽曲の中では取り上げられる頻度がそれなりにあることが益々不思議に感じられる公演後の印象だった。

                 

                そうは言うものの、来月は名古屋で同曲の演奏会がある。3回聴けば何か見えてくるかも???

                 

                 

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                東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ 第95回

                2017.1.21(土) 14:00

                東京オペラシティコンサートホール

                 

                リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

                プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」 *

                 

                指揮:飯森 範親

                メゾ・ソプラノ:エレーナ・オコリシェヴァ *

                合唱:東響コーラス *

                 

                【料金】 A席 6,000円

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                | 声楽曲2017 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
                ニュー・イヤー・ガラ・コンサート@オペラシティ
                0

                  職場の方の「無料招待のチケットが余ったので行きませんか?」とのお誘いで、オペラシティへ。

                  主催は都の財団で、都政のPRも兼ねてのコンサート。有名なオペラアリアやミュージカルの名曲を、「この人もあの人も知ってる!」といったような一流どころに歌ってもらう、贅沢なもの。しかも司会は元日テレアナの永井さん。

                   

                  ただ残念なことに、プログラムに曲目は載っているが誰が歌うかの記載がないので、記憶は心もとない。

                  印象に残ったのは、NHKのニューイヤーにも出演し、いちばん声がまっすぐ伸びていた感のある森谷さんと見栄えがする金山さん。金山さんはミュージカルでも行けそうなマスクと声の張りがいい。

                   

                  初めて電子アルガンによる伴奏を聞いたが、50人のオーケストラが演奏しているような様々かつ多重な響きにびっくり。

                   

                   

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                  ニュー・イヤー・ガラ・コンサート

                  2017.1.16(月) 19:00

                  東京オペラシティコンサートホール

                   

                   1.  オペラ「椿姫」より“乾杯の歌”

                   2.  オペラ「カルメン」より“ハバネラ”

                   3.  オペラ「カルメン」より“闘牛士の歌”

                   4.  オペラ「ホフマン物語」より“森の小鳥はあこがれを歌う”

                   5.  オペラ「蝶々夫人」より“花の二重唱”

                   6.  オペラ「トスカ」より“妙なる調和”

                   7.  オペラ「セヴィリアの理髪師」より“今の歌声は”

                   8.  オペラ「サムソンとデリラ」より“あなたの声に心は開く”

                   9.  オペラ「蝶々夫人」より、“ある晴れた日に”

                  10. オペラ「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ”

                   

                  11. 組曲「惑星」より“火星”(電子オルガンソロ)

                  12. オペレッタ「こうもり」より“侯爵さま、貴方というお方は”

                  13. オペレッタ「ほほえみの国」より“君こそ我が心の全て”

                  14. ミュージカル「ラ・マンチャの男」より“見果てぬ夢”

                  15. ミュージカル「オペラ座の怪人」より“All I ask of you…”

                  16. ミュージカル「レ・ミゼラブル」より“夢破れて”

                  17. ミュージカル「レ・ミゼラブル」より“STARS”

                  18. ミュージカル「ニューオーリンズの美女」より“Be my love”

                  19. ミュージカル「ジキルとハイド」より“This is the moment.”

                  20. ミュージカル「メリー・ウィドウ」より“唇は語らずとも”

                  21. ミュージカル「レント」から“シーズンズ・オブ・ラブ”

                   

                  ソプラノ:高橋 唯、森谷真理

                  メゾ・ソプラノ:富岡明子、下園理恵

                  テノール:樋口達也、金山京介

                  バリトン:大沼徹、加來徹

                   

                  電子オルガン:清水のりこ

                   

                  司会:永井美奈子

                   

                   

                   

                   

                  | 声楽曲2017 | 22:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  第60回 NHKニューイヤーオペラコンサート@TV
                  0

                    恒例のニューイヤーオペラ。いくつか感想を。

                     

                    ・中村さんや森谷さんといった”海外帰国組”の力強い歌唱がいい。

                    ・ヘンデルのオペラから3曲は出色の出来。多くの方に知ってもらうには最高の機会。それにしても森さんはバロックオペラも雰囲気どおりに確実に歌いこなす力量には敬服。

                    ・中嶋さんの色気ムンムンは年毎に魅力を増しているような気がする。

                    ・今日一番の出来は、アイーダ。笛田さんもすばらしかったが、それ以上に清水さんは凄味があり、世界に通用する力量。

                    ・藤村さんは切れのある歌唱でコンサートを閉めた。

                     

                     

                    〈データ〉

                    第60回 NHKニューイヤーオペラコンサート
                    2017.1.3(火) 19:00〜21:00
                    NHK Eテレ

                    指 揮:広上 淳一
                    管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
                    合 唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部

                    [ゲスト]鈴木雅明(指揮) / バッハ・コレギウム・ジャパン *

                    司会:石丸幹二、高橋美鈴アナウンサー

                     

                     1.レオンカヴァルロ:歌劇「道化師」から「ほら、急げ」/合唱

                     2.ベッリーニ:歌劇「ノルマ」から「清らかな女神よ」/大村博美(S)

                     3.プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」/村上敏明(T)

                     4.プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から「氷のような姫君の心も」/中村恵理(S)

                     5.ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から「私は町のなんでも屋」/上江隼人(Br)

                     6.ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から「かげぐちはそよ風のように」/妻屋秀和(Bs)

                     7.モーツァルト:歌劇「イドメネオ」から「心乱れ怒りが込み上げる」/森谷真理(S)

                     8.モーツアルト:歌劇「魔笛」から「愛の喜びは露と消え」/砂川涼子(S)

                     9.モーツアルト:歌劇「ドン・ジョバンニ」から「地獄落ち」/黒田博(Br) 久保和範(Br) ジョン・ハオ(Bs)

                    10.ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」から「この悪党め!」/折江忠道(Br)

                     

                    11.ヘンデル:歌劇「タメルラーノ」から「非道な者よ、お前に戦いに挑むために」/櫻田亮(T) *

                    12.ヘンデル:歌劇「ロデリンダ」から「いとしい人よ あなたはどこに」/藤木大地(Ct)*

                    13.ヘンデル:歌劇「ジュリアス・シーザー」から「戦闘のシンフォニア」〜「嵐で木の船は砕け」/森麻季(S) *

                     

                    14.ヨハン・シュトラウス:喜歌劇「ヴェネチアの一夜」から「ほろ酔いの歌」/中嶋彰子(S)

                    15.カールマーン:喜歌劇「チャールダッシュの女王」から「踊りましょう」/中嶋彰子(S)西村悟(T)

                    16.ヨハン・シュトラウス:喜歌劇「こうもり」から第2幕フィナーレから/合唱

                    17.ジツィンスキー:ウィーンわが夢の街/中嶋彰子(S)西村悟(T)

                    18.ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」から友情の二重唱「われらの胸に友情を」/与儀巧(T)高田智宏(Br)

                    19.ヴェルディ:歌劇「アイーダ」から二重唱「すでに神官たちは待っています」/清水華澄(Ms) 笛田博昭(T)

                    20.ワーグナー:歌劇「ローエングリン」から「婚礼の合唱」(合唱)

                    21.ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」/池田香織(Ms)

                    22.マスネ:歌劇「ウェルテル」からオシアンの歌「春風よ、なぜ私を目ざますのか」/福井敬(T)

                    23.チレーア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」から「苦い喜び、甘い責め苦を」/藤村実穂子(Ms)

                    24.ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」から「すべてこの世は冗談」/出演者全員、合唱

                     

                     

                     

                     

                    | 声楽曲2017 | 20:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
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