「第54回日伊声楽コンコルソ入賞者披露」と銘打ったコンサート。入賞した砂田さんが出演するので行ってきた。
場所は大手町の読売新聞東京本社内にある「よみうり大手町ホール」。小ホールもあるようだが、大?中?ホールで開催。真新しいホールは落ち着いた雰囲気で、ミニコンサートにはぴったりの広さ。多目的ホールのようで、各席には背もたれ後ろにミニテーブルが収納されている。
コンサートは2部構成。第1部がコンコルソ入賞者3人のソロと賛助出演者とのデュエット、第2部がベテラン二人のソロとデュエット。
入賞者はたぶん得意とする曲の選曲だろうが、3人の個性がはっきりしたもの。
先陣を切った竹下さん、相当緊張しただろうが、長丁場の”狂乱の場”を歌い上げたのは見事。欲を言えば、もう少し顔の表情があってもよかった。
二番手の砂田さん、声質はコロラトゥーラだが、芯がしっかりした声質は相変わらずいい。歌う時の表情も豊か。
三番手のコンソルソ1位の土屋さん、3人の中では最もキャリアを積んでいるようで、歌い方にも自信が溢れているさまが見て取れる。奔放豪快といった印象。
第2部に登場の村上さんと佐藤さん。お二人ともベテランの域だが、村上さんの伸びのある声には圧倒された。佐藤さんのベテランらしいしっとりした歌唱も印象的。
毎回このコンサートはこのような構成なのかもしれないが、ベテランもいいがコンコルソ入賞者の声をもっと聴きたい気がしたのは自分だけだろうか。それとも企画的に集客が気になるのだろうか...
〈データ〉
第54回日伊声楽コンコルソ入賞者披露
イタリアオペラ 名曲コンサート
2018.11.25(日) 14:00
よみうり大手町ホール
第1部
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」より、”彼の優しい声が”(狂乱の場)(竹下みず穂)
ベッリーニ:「夢遊病の女」より、”慕わしい皆さん〜気も晴れ晴れと”(砂田愛梨)
ヴェルディ:「マクベス」より、”勝利の日に〜来たれ!急いで”(土屋優子)
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」より、”これぞ不実の証拠”(竹下みず穂、千葉裕一)
ヴェルディ:「リゴレット」より、”お話し、だれもいない”(砂田愛梨、千葉裕一)
ヴェルディ:「イル・トロヴァトーレ」より、”よいか?夜が明けたら息子の首をはねろ”(土屋優子、千葉裕一)
第2部
チレア:「アルルの女」より、”フェデリーコの嘆き”(村上敏明)
ドニゼッティ:「ルクレツィア・ボルジア」より、”まるで美しい魔法みたい”(佐藤美枝子)
プッチーニ:「ラ・ボエーム」より、”冷たい手を”(村上敏明)
ヴェルディ:「椿姫」より、”不思議だわ、あぁ、そは彼の人か〜花から花へ”(佐藤美枝子)
ヴェルディ:「椿姫:より、”パリを離れて”(佐藤美枝子、村上敏明)
ヴェルディ:「リゴレット」より、愛こそ心の太陽”(佐藤美枝子、村上敏明)
アンコール
ヴェルディ:「ナブッコ」より、”行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って”(出演者全員)
ピアノ:河原忠之
ナビゲーター:南條年章
【料金】 全指定席 5,000円