千人@オーチャード

  • 2017.06.03 Saturday
  • 23:58

今やツィクルスでも祝祭時でも頻繁に演奏される「千人」。今回は3年前から始まった、マエストロ山田によるツィクルスの最終期の一環。

さて、今回の成果はというと...マエストロの思いはわかるが、次の機会に期待しようという感じだろうか。

 

まず、合唱。児童合唱を入れなくても250人はいるのではないか思うくらいの大編成。それはそれで良しだし、第一部 ”veni creator spiritus” も合唱の圧を感じる演奏だった。しかし、この曲で合唱の真価が発揮されるのは第二部、それも冒頭の ”Waldung, sie schwankt heran” の出来次第。

だが、今回は子音の立ちも甘かったため、言葉に切れがなく、聴く側の集中度が高まらなかったのは否めない。またオケとも息が合っていたかといえばちょっと疑問だ。その後の合唱もなぜか、うまいへたではなく、”勢い”が感じられなかったのは残念。

また、オーケストラは部分的に聴けば力演の部分もあったものの、全体的にその演奏は平板であり、”熱さ”を感じることはなかった。

 

そんな感じなので、終局の ”神秘の合唱” からバンダも入って壮大に終わるまでの大音量が少し虚しく聴こえたのは自分だけだろうか?

 

ソリストでは、清水さんと西村さんが満足いく歌唱をしていたのが印象的。特に西村さんの輝く高音の伸びはこの曲に合っている。

 

この曲を真に満足して演奏するのは難しいと改めて感じた次第。

 

 

〈データ〉

 

山田和樹 マーラーツィクルス 第8回

2017.6.3(土) 17:00

オーチャードホール

 

武満 徹:星・島(スター・アイル)

マーラー:交響曲第8番7「千人の交響曲」

 

第1ソプラノ、罪深き女:林 正子

第2ソプラノ、贖罪の女のひとり:田崎 尚美

第3ソプラノ、栄光の聖母:小林 沙羅

第1アルト:サマリアの女:清水 華澄

第2アルト:エジプトのマリア:高橋 華子

テノール、マリアをたたえる博士:西村 悟

バリトン、法悦の神父:小森 輝彦

バス、瞑想の神父:妻屋 秀和

 

第1コーラス:武蔵野合唱団

第2コーラス:栗友会合唱団

児童合唱:東京少年少女合唱隊

 

指揮:山田 和樹

 

【料金】 4,000円

 

 

 

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