グレの歌@東京文化
- 2019.04.14 Sunday
- 23:50
午前中に合唱祭に参加した後、時間的に何とか間に合うので、欲張って東京文化会館での「グレの歌」を聴いてきた。
この曲、演奏頻度もそこそこあるためか、これまで何回か聴いてる。しかし、聴いた後「どんな曲だったっけ?」と思うのも事実。
今回は改めてこの曲の魅力を確認したかった。しかし、そんな希望もかなわずに終わってしまった。
曲自体は、シェーンベルクが「無調の時代」に入る前の20世紀初頭に着手されたとおり、比較的聴きやすい。しかし、字幕がついているとはいえ、歌詞の全体像が今一歩理解できていない。訳による歌唱の内容は理解できても、真に全体像が理解できていないので、ある意味空虚感が漂う。
そうは言っても、注目すべきキャストの歌唱があったのも事実。
何と言っても、印象深いのは山鳩役の藤村さん。ワーグナー歌いとして世界的に評価されている方だが、今日も芯のある歌いっぷりで聴衆を魅了。カーテンコールもひと際喝采が大きかった。また、農夫役の甲斐さんも、長くウィーンで活躍された経験もあって、来日キャストと何ら遜色ない出来。
指揮のマエストロ大野も弛緩することなく、最後まで緊張感を持てたのは流石。それに食らいついていった都響も熱演だった。
今秋10月には東響がこの曲を演奏するらしいので、その時までにはもう少し勉強しておこうかな...
〈データ〉
東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.6
2019.4.14(日) 15:00
東京文化会館 大ホール
指揮:大野 和士
ヴァルデマール王:クリスティアン・フォイクト
トーヴェ:エレーナ・パンクラトヴァ
山鳩:藤村実穂子
農夫:甲斐栄次郎
道化師クラウス:アレクサンドル・クラヴェッツ
語り手:フランツ・グルントヘーバー
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
【料金】 C席 6,700円