オランダ人@新国立劇場

  • 2015.01.28 Wednesday
  • 23:20
今シーズンからオペラ部門の芸術監督になった、マエストロ指揮の第二弾!オランダ人を聴いてきた。それなりに期待していったのだが...

ピットのオケは東響。序曲が始まり演奏は続くが、「これって、ほんとにワーグナー???」て思ってしまうくらい、音の響き、広がり、力強さなどなど、すべてが足りない感じだ。
一言でいえば「楽譜通り弾いてます」っていう演奏で、音を置きに行っている感じ。安全運転で、”音への食い付き”が足りないため、面白さが微塵も伝わってこない。「こんな凡庸な演奏を聴きに来たのではない!」と叫びたくなるくらいだった。
歌手陣も悪くはないが、飛びぬけてもいない。そんなこんなで、休憩前の前半は合唱の素晴らしさに救われた感さえあった。

休憩後の後半。冒頭の「糸紡ぎの歌」は上々の出来。続く「ゼンタのバラード」も欲を言えばいま一歩。もっと「狂気」というか「狂おしさ」がほしかった。これは、のちに続くゼンタとオランダ人との永遠の愛を誓い合う歌にも通じる。
ここでも、ある程度のボルテージは上がるのだが、突き抜ける高揚感、迸る熱気が感じられないまま終わってしまった。
しかし、前半よりは盛り返し、さすがに最終場面では息つかせぬ緊張感が漲っていたが...

総じては、残念ながらマエストロの演奏としてはいただけない感が残った演奏だったが、来シーズンはいよいよ「リング」が始まるらしい。こちらに期待したい。

P.S. 素晴らしい合唱の数々を聴いて、約2年半ほど前、マエストロの指揮でアマオケながら合唱でこの曲の演奏に参加した時のことを思い出した。その感想は...
「よくぞこんな難しい曲に挑んだものだ。今だったら、とてもじゃないけどある意味無謀な行ないだよな」


〈データ〉

新国立劇場 2014/2015 シーズンオペラ
2015.1.28(水) 19:00

ワーグナー:さまよえるオランダ人

指揮:飯守 泰次郎
ダーラント:ラファウ・シヴェク
ゼンタ:リカルダ・メルベート
エリック:ダニエル・キルヒ
マリー:竹本 節子
舵手:望月 哲也
オランダ人:トーマス・ヨハネス・マイヤー

管弦楽:東京交響楽団

【料金】 10,800円
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