ドヴォレク@Gewandhaus

  • 2016.11.20 Sunday
  • 18:38

11時からのマチネーに間に合うように、朝9時20分発のICEに乗ってドレスデンからライプツィヒへ。会場はあのゲヴァントハウスだ。

「ドヴォレク」のチケットは予約できていたので安心して?座席へ。内部は日本で言えばベルリンのフィルハーモニーを参考にしたというサントリーホールのようなつくり。正面にパイプオルガンを据え付け、舞台を囲むように座席が配置されている。列の前後の座席は完全にかぶっているが、列間に相応の勾配があるので前に座った人の頭は気にならないかも。

 

そんな居心地がいい会場で演奏されたドヴォレクはというと...これが想像以上のすごい演奏だった。そして真っ先に賞賛されるべきは合唱団の力だろう。

 

冒頭の”Requiem aeternam”の豊かなで立体的な響きも尋常ではなかったが、”Dies irae”のなんと地強くかつ自由自在なことか。場合によっては危うさも秘めている曲にもかかわらず、荒れ狂う生き物を完全にコントロール下に置いたように、音の躍動感はまったく失われることもなく、自ら意思をもったような音の連なりは見事!その後の”Confutatis maledictis”も同様にまったく危なげがない

 

そして今日の頂点とも言える響きが、第一部が"Amen"で終わった後しばらく間をおいて開始された、男声合唱から始まる第二部 ”Domine Jesu Christe, Rex gloriæ"である。その第一声を聴いたときの感動は今思い出しても熱くなる。やわらかな響きが場内に降り注ぐさまはこの世のものとは思えない。曲が進むにつれて、なぜか涙腺がゆるくなってついに頬を一滴のしずくがとめどもなく伝わり始めた時は自分でも正直、「まいった」。なんということをしてくれるのだろうか、この合唱団は...

 

指揮者がタクトを下ろした数秒後まで曲に漲る緊張感は失われず、場内の喝采は次第に大きくなり、最後はスタンディングオヴェーションに...多くの聴衆が今日の演奏に共感したことが伺える光景だ。改めて、とんでもなく内容の充実した曲であり、再現が難しい曲であることを再認識。

「合唱」に接して久しいが、これほど感動を受けた演奏にめぐりあったことはかつてなかった。それほどに今日の演奏はある意味まれで、奇跡的とも言える。

 

演奏したMDR Sinfonieorchester とRundfunkcorは放送局の改編で名称こそ変わったが、前身はかつての「ライプツィヒ放送交響楽団&合唱団」。伝統の力は常に発揮されるわけではないだろうが、数々の名演を残してきた団体の流れを汲む楽団だけに、その力を遺憾なく発揮したことは確かだ。

 

普段の合唱練習では「ハモる」ことは最大限の目標としてしているが、なかなか実現できるものではない。またそれが大切なことは頭では理解しているが、場合によっては「音の圧」を求める自分がいることも確か。しかし、そんな中途半端な考えは今日の演奏を聴いて吹っ飛んだ。

実を言うと今日の合唱団の人数、男声女声とも30人程度の計60人ほどだ。この大曲をたった60人ほどでオケに伍した演奏をするなんて、「ハモる」ことの何者もできないだろう。ただただ「ガナる」ことがなんと愚かなことことよ...

 

残念ながら、今日のような演奏をできる合唱団は今の日本にはない。それはプロもアマもだ。ドイツの一地方の団体が今日のような演奏会を”平然”とやってしまうことに、音楽の裾野の広さと懐の深さを感じたと同時に、今まで自分がやってきたのは果たして「合唱」と言えるのか自問自答してしまうような心境になった。

 

決して忘れることはない、心に深く刻まれた演奏会であった。

 

 

〈データ〉

 

 

MDR Matineekonzert


Gewandhaus Leipzig - Großer Saal

 

Antonín Dvořák — Requiem op. 89

 

Tomáš Hanus Dirigent

Simona Šaturová Sopran

Ulrike Schneider Alt

Norbert Ernst Tenor

Jan Stava Bass

 

MDR Sinfonieorchester

MDR Rundfunkchor

 

【Preise】 37.50€

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