テノールリサイタル@茗荷谷キリスト教会

  • 2011.10.29 Saturday
  • 23:05
過日の演奏会でお世話になった、テノールの豊原奏さんがリサイタルを開くというので行ってきた。
曲目はいわゆるイタリア古典歌曲に、ベートーヴェン、シューベルト、そしてシューマンと盛りだくさん。

1曲目の「Ombra mai fu」が終わったところで、豊原さんからご挨拶。何か鼻声のようだ。。。(その後、季節外れ?の花粉症+カゼということが判明)

イタリア古典歌曲。知ってる曲もあるが、初めて聴く曲は新鮮だ。豊原さんの解説によれば、イタリア語の歌曲は太陽の明るいイメージがある反面、その歌詞は失恋やなんやと甘くも切ない内容。その切なさを甘いメロディーに変えて歌っているとのこと。なるほど。。。
曲では「Cangia tue voglie」がいい。

続くベートヴェンの3曲の中では「Der Kuss」がいい。これも豊原さんによれば、およそベートーヴェンらしからぬ?遊び心があるという。軽やかな、洒落っ気たっぷりの曲だ。

シューベルトの中では「Ganymed」もよかったが、やはり魔王「Erlkonig」だろう。音楽の素養なんてまったくない自分でさえ、たしか小学生の時聴いたような気がする。何分かの中に、なんてドラマが凝縮されているんだろうと、改めて感じた次第。豊原さんも大熱唱!

後半はシューマンの詩人の恋「Dichterliebe」全曲を一気に歌い切った。

そんな豊原さんを支えたのが、ピアノ伴奏の玉川さん。非常に音楽的で演奏もウマイ!出しゃばらず主張せず、でもサポートはしっかりと、伴奏者のあるべき姿だ。こんな方の伴奏なら、歌うのが楽しいだろうな。

豊原さんの体調はいま一歩だったかもしれないが、途中のなごみトークも楽しめ、会場はいい雰囲気に。あっという間の、90分だった。


〈データ〉
テノールリサイタル ドイツ、イタリア歌曲の至福
2011.10.29(土) 14:30
茗荷谷キリスト教会

テノール:豊原 奏
ピアノ:玉川 早苗

ヘンデル : Ombra mai fu (樹木の陰で)
ガスパリーニ : Lasciar D'amarti (貴女への愛をすてることは)
モンテヴェルディ : Eri gia tutta mia(かつて貴女は)
ファゾーロ : Cangia tue voglie(望みを変えよ)
カッチーニ : Amarilli(アマリッリ)
ジョルダーニ : Caro mio ben(いとしい女よ)
ベートーヴェン : Zartliche Liebe(私は君を愛している)
ベートーヴェン : Der Kuss(くちづけ)
ベートーヴェン : Adelaide(アデライーデ) 
シューベルト : An die Musik(楽に寄す)
シューベルト : Ganymed(ガニュメート)
シューベルト : Erlkonig(魔王)
シューマン : Dichterliebe(詩人の恋)

【料金】 自由席 3,000円

ドツレク@サントリー

  • 2011.10.25 Tuesday
  • 23:25
 ドツレク三連発!の最後を飾る、都響、晋友会のドツレク。指揮は小泉和裕さん。期待は高まる。
出だしはどうか? ♪ Selig sind...うーん 微弱音が心地いい。
しかし、その後の演奏を聴いて、期待が高かった分、その落差も大きかった。。。

まず、子音がまったくといっていいほど飛んでこない!
ドイツ語で「 d 」とか「 t 」があったら、必ず飛んでくるものだ。「 r 」の巻き舌しかり。巻かない指示でも出たのなら別だが。。。
個々の団員はきちんと出しているのかもしれないが、会場に響き渡らない。そのため曲の輪郭がぼやけて、メリハリのない演奏になってしまった。

またパート間の音のバランス、そして合唱団としての音のまとまりがよくない。極端に言えば、各パートは自分のウタウ箇所のみを勝手に歌っているように聴こえる。他のパートを聴きあう姿が感じられなかった。

またソリストの佐々木さんと萩原さん。ご一緒させていただいたこともあるし、十二分な実力をお持ちの方だが、今日の歌唱に限ってはいただけない。曲のイメージとは明らかに違う歌いっぷり、雰囲気だ。指揮の小泉さんも手堅いが、演奏は淡泊。

そんなこんなで、最後までドイツ・レクイエムらしい演奏を聴くことができなかったのは非常に残念!
かなり手厳しいことを書いてしまったが、これも期待してるからこその叱咤激励であることでお許しを。

あまり昔どうのこうのとは言いたくないが、「晋友会」といえば、アマチュアながら合唱界を絶えずリードしてきた団体。しかし、最近自分が聞いた限りでは、鮮烈な印象を受けた演奏はない。同じ合唱を愛する者として、切磋琢磨していきたい。ガンバレ!晋友会


〈データ〉
東京都交響楽団 第723回 定期演奏会 Bシリーズ
2011.10.25(火) 19:00
サントリーホール

ブラームス:ドイツ・レクイエム

指揮:小泉 和裕
ソプラノ:佐々木 典子
バリトン:萩原 潤
合唱:晋友会合唱団

【料金】 A席 4,400円

メシアン@NHKホール

  • 2011.10.21 Friday
  • 23:48
曲名だけは聞き知っているが、曲そのものは聞いたことがない大曲は結構あるもの。今日の「トゥランガリラ」もその一曲だ。
日本ではかなり演奏されているようだが、いままで聴こうとはしなかった。が、なぜか今回は聴きたくなった。

沼野さんによるライナーノーツによれば、メシアンの、愛と死をめぐる三部作の一角をなす作品だそうな。そして三部作のテーマはトリスタン伝説に示されている、究極の愛の形だそうな。また、初演はバーンスタイン。知らなかった。。。まったくの初心者ですな。

楽器は大編成。太鼓やシンバル等の打楽器系が、「私が主役よ!」と言わんばかりに舞台上を埋め尽くす。その中でも、ひときは目立つのは、自分はこの曲によってしか使うことは知らない、オンド・マルトノなる電子楽器。初めて見た。鍵盤にスピーカーみたいな付属品がついている。これでどんな音を出そうというのか、興味深々。

曲が始まった。初演から60年を超えれば、もはや現代の古典。とっつきにくさは感じられず時間の経つのも早い。打楽器から繰り出される多様な音が、われわれの持っている感性を刺激するようでスリリングですらある。
途中、「ウワン〜ワンワン」と薄い金属板をしならせた時に出る音が聞こえたが、あれがオンド・マルトノの音なのか?原田さんの指使いと一致するので間違いないと思うが。。。面白い音だ。でも聴きなれないせいか、オンド・マルトノが曲の中でどの程度活躍しているのかわからなかった。あくまで、ピアノが曲を牽引しているように聞こえたが。
自分なりにこの曲にタイトルを付けると、「ピアノとオンド・マルトノのための協奏交響曲」かな?

指揮のプレビン。数日前と変わって、この曲を得意としている様が演奏にもそのまま出ていた。実に力を抜いた的確な指示で、この曲の魅力を十二分に引き出してくれた。そのあたりはジャズの心得が大きいのかもしれない。
印象に残った曲は、第五曲「星の血の叫び」。熱い熱いオケの響きを堪能した。
次に聴く時は、曲への理解が更に深まるだろう。さて、次はいつ、だれの指揮だろうか。楽しみだ。


〈データ〉 

NHK交響楽団 第1710回 定期演奏会 Cプログラム
2011.10.21(金) 19:00
NHKホール


メシアン:トゥランガリラ交響曲

指揮:アンドレ・プレヴィン
ピアノ:児玉 桃
オンド・マルトノ:原田 節

【料金】 自由席 1,500円

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< October 2011 >>

いらっしゃい!

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM