パウルス@オペラシティ

  • 2012.10.14 Sunday
  • 22:10
大好きなメンデルスゾーン。その中でも、 是が非でも演奏したいと思っているのが、今日の「パウロ」と「エリア」。
”今年は東京周辺でも合唱団が相次いでこの2曲の演奏する”ということは昨年から知っていたので、某合唱団で秋の演奏会に向けて「パウロ」の練習をしていた。しかし。。。仕事の関係で本番は断念。。。
そんな経過や思いもあって、期待の演奏会。それも演奏はBCJ。さてさて、結果は???

ただただ圧巻だった!もうもう唖然とした!正直脱帽した!プロの力をまざまざと見せつけられた。
緻密さと高精度のハーモニーの中にドラマがあり、力強さがあった。すべてがパーフェクトだ!

なにが凄いって、ソリストも合唱団も同質な声。これは通常の演奏会ではありえない!まずソリストの声が同質なことはあまりない(というか同質なソリストを揃えるのが難しいのかも。。。)そして合唱団もソリスト級の方がほとんどであるにもかかわらず、ソリストと同質の声だ。ソリストと違うのは人数の多寡のみ。数人で歌ってもひとりが歌っている同じように聴こえるとういことだ。これは考えてみれば驚異的なこと。
ソリスト級なら「俺が、私が、歌いたい!」という意識は当然あるだろう。しかしそうした抑えがたい気持ちを殺して、あくまで合唱団の一員としての自分の立ち位置、役割を演じる。誰一人力んでいない。誰一人飛び出していない。
なにげに持ち込んだヴォーカルスコアを眺めながら聴いていたが、フーガの箇所が楽譜通り聴こえる。ソプラノの聴かせどころはソプラノが、バスの聴かせどころはバスが。。。それもパート間の出っ張り引っ込みもなく。。。
これぞ、まさしくプロだからこそ成せるワザかもしれない。

プロ合唱団にもいろいろな形態があり、合唱中心のプロから、ソリスト中心のプロまで様々。ただ言えることは、プロだからといって必ずしも合唱がウマイ!とは限らないこと。プロでも相当程度合唱の訓練しなければ期待通りの演奏はできないはずだ。今日の演奏は、そんな努力の所産だ。

また合唱とオケのバランスも文句なし!真の意味で調和が取れているということはこういう事を指している。

全体を取り仕切ったマエストロの音楽づくりも心憎い。
演奏スタイルは当然のことながらBCJ流。これまでのバッハの演奏で培ったスタイルの延長線上にあるもの。大編成のオケや合唱とは異なり、自然にかつ歯切れよく音楽が流れている。しかし、ただ美しいだけでは音楽はつまらなくなる。ppの中にも、秘めたるダイナミズムが潜んでいるかのような、精気がある。それがffになると、それまでため込んできたエネルギーが抑制された爆発を生み出す。休憩を入れると2時間半になろうかという曲だが、無聊とは無縁の時間が流れた。

”あくまで響きやハーモニー、音のバランスが音楽づくりでは最重要!力強さはそれができれば自ずとついてくる”
そうした、だれもが「当然のこと」と思うようなことを自然体に、難なくできる。やってのける。

プロのソリストと張り合うのは無理でも、合唱なら訓練次第でなんとかプロに対抗できるのでは?と思いながらこれまで合唱をやってきたが、今日みたいな演奏を聴くと「やはり訓練されたプロの凄さにはかなわないか。。。」とも思う。
しかし、プロでもアマでもやることは同じ。いいお手本を聴かせていただいた思い直し、これからも精進していきます!


〈データ〉

東京オペラシティコンサートホール 会館15周年記念公演
バッハ・コレギウム・ジャパン 《パウルス》
2012.10.14 15:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:鈴木 雅明
ソプラノ:澤江 衣里
アルト:布施 奈緒子
テノール:藤井 雄介
バス:ドミニク・ヴェルナー
バス:浦野 智行
合唱と管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

【料金】 A席 7,000円

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