運命の歌@オペラシティ

  • 2014.04.15 Tuesday
  • 23:17
今年3回目の本番曲目はブラームスの「運命の歌」。
ブラームスの声楽曲=ドツレク、というくらいその他の曲は知られていない。というかそもそもオケ付の曲は少ない。そんな中で個人的にも初めて歌う曲だ。

わずか15分程度の小品だが、内容は緻密そのもの。練習でも予想以上に苦戦。歌うことは出来ても「これってただ音をなぞっているだけ???」との自問自答が相次いだ。内容を表現しなければ歌う意味がないとも言える。個人的には最後まで作品の理解は深まらず表現は消化不良...

かのカラヤンは「軽騎兵序曲」など超有名的すぎる小品を完璧に演奏し、時に「クラシックの入門曲」と思われて揶揄されかねない作品の真価を見事に表現した。今日の作品が入門曲とは思わないが、こうした小品をいとも容易に表現しうることも、真の実力を試される機会かもしれない。

〈データ〉

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第278回 定期演奏会
2014.4.15(火) 19:00
東京オペラシティ コンサートホール

ブラームス:運命の歌
ブルックナー:交響曲第7番

指揮:飯守 泰次郎
合唱:東京シティ・フィル・コーア

ラインの黄金@東京文化

  • 2014.04.07 Monday
  • 23:54
「東京・春・音楽祭」も10周年。それが理由かどうかわからないが、今年から4年をかけて「ニーベルングの指輪」を演奏会形式で演奏するという。演奏機会がそうそうある曲でもなく、祝祭的な気分もあり出かけてきた。

普段からそれほどワーグナーを聴いているわけでもなく、演奏会形式でもあるため、歌手の出来不出来、オケのワーグナーの色彩感の表現力などを語ることはできない。ただただ演奏を聴き終えた感想を書いてみたい。

まず、演奏会形式。あるホールではホールオペラとも呼んでいるが、これがなかなかいい。
ムーティはスカラ座時代、舞台上や座席の字幕は「観客の舞台への集中力が削がれる」ため好まなかったと聞くが、確かに本来の舞台装置で演じられる場合は全く同感。個人的にはオペラグラスも集中力を削ぐ。たとえストーリーがわからずとも、舞台に目を凝らし続けることで感じられるもの。それが舞台芸術の核心である。
今回は演奏会形式であるため、目を凝らすのは同じでも、その視線の行く先は舞台上の字幕そのもの。音楽を聴きながら内容を理解するには非常に都合がいい。そうすることで、歌手ごとの内容の表現力の差もかなり聞き分けられる。ある意味視覚に惑わされないためだ。本来であれば舞台で演じられることが王道ではあるが、お金という現実を考えると、今後ともこの形は大いに進めてもらいたい。

次は、ワーグナー感。ワーグナーの音楽というと、「大作」「大編成」といった言葉が連想される。確かに今日の演奏でも(通常の舞台も同じかわからないが...)舞台上には「参ったか!」というぐらいの管や弦や打が所狭しと居並ぶ。バンダである鉄床が18人、ハープは6人...その光景だけでも圧巻だ。もちろんそれらが活躍する場面はあるが、曲全体でみれば部分的に過ぎず、ほとんどは室内楽的な音「楽」の響きに合わせて「劇」が進行していく。
ある音楽辞典でワーグナーの舞台作品は「歌劇」と「楽劇」に分類されているが、その辞典による分類でも今日の作品は「楽劇」。これまで「ワーグナー=楽劇」という知識は持っていたが、改めてじっくり聴いてみるとその意味するところがよく理解できる。
切れ目のない劇の進行、その内容もある意味ファンタジーの要素でもあるため、聴き手がそろぞれの思いで空想できる。空想は無限だ。そんなことから時間の経過を忘れてしまいそう。そのあたりもワグネリアンを生み出す要素かもしれない。

演奏終了後、満員の聴衆からの鳴り止まぬ拍手喝さい。20分程度は続いたろうか...そんな快演を生み出したのはマレク・ヤノフスキ氏。長らくワーグナー通で知られている方だが、その実力を如何なく知ることとなった.
時折り氏の指揮ぶりを眺めていたが、一言でいえば「こなれた」もの。箸の長さぐらいの短めの指揮棒を、決して大振りすることなく淡々とこまめに動かすのみ。しかしそこから生み出される音は水の流れのように、ある時はせせらぎ、ある時は岩にぶつかり大きな飛沫をあげるが、絶えず淀みなく流れ続けていることには変わりない。カーテンコールも淡々と進む。氏にとっては普通のことのようだ。まさに職人気質。
「ああ、これがワーグナー音楽の真の姿かも」と深く印象づけられた。

ワーグナーの聴き方が変わった、意味ある「序夜」だった。

〈データ〉

東京・春・音楽祭
ワーグナー:楽劇『ニーベルングの指環』序夜《ラインの黄金》
2014.4.7(月) 19:00
東京文化会館 大ホール

指揮:マレク・ヤノフスキ
ヴォータン:エギルス・シリンス
ドンナー:ボアズ・ダニエル
フロー:マリウス・ヴラド・ブドイウ
ローゲ:アーノルド・ベズイエン
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
ミーメ:ヴォルフガング・アブリンガー=シュペルハッケ
ファーゾルト:フランク・ヴァン・ホーヴ
ファーフナー:シム・インスン
フリッカ:クラウディア・マーンケ
フライア:藤谷佳奈枝
エルダ:エリーザベト・クールマン
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:秋本悠希
フロースヒルデ:金子美香
管弦楽:NHK交響楽団

【料金】 C席 9,000円

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