聖パウロ@ザ・シンフォニー
- 2015.04.29 Wednesday
- 21:11
マエストロ飯守がメンデルスゾーンの声楽の大曲「聖パウロ」を振るというので大阪まで行ってきた。
そう頻繁に演奏される曲ではないが、プロアマ問わなかったら3年に1回ぐらいは日本全国のどこかで演奏している感覚の曲。
マエストロの指揮ぶりもだが、やはりウタファンとしては合唱の出来具合が気になる。
「序曲」が始まり、(序曲の)後半になろうともするのにマエストロの指揮ぶりが大人しい。指揮のキビキビ感が小さいせいか紡ぎ出される音もいまひとつ元気がない感じ。少々お疲れかも...
そんなことを考えていたら、2曲目の合唱 Herr! Der Du bist der Gott,...が始まった。その合唱(こう書いては失礼だが)悪くない。
人数にして100人程度。女声合唱が3分の2を占め、男声は30人いるかどうかという感じ。最初に舞台を見たときは「男声陣やや物足りないか???」と危惧したが、思ったほどバランスも悪くなく、男声陣もそこそこしっかりと聴こえる。
それ以上に印象的だったのは、全員がハーモニーで歌っていたことだ。だれひとりガナルことなく、「聴きあうこと」で豊かな響きが生まれていた。このことは練習の過程で相当訓練されたのであろう。また、人数的に男声が足りない分は女声陣、特にソプラノが引っ張って盛り上げていった感がある。声質も均質化されており美しい響きの箇所も随所にあった。
不明瞭なドイツ語発音、tやdなどの子音の切れ味、pp時の集中力や発声、ダイナミックレンジの拡幅など課題はあるが、一昨年創設したばかりの合唱団で、最後まで同じレベルを保てたことは既にそれなりの力がある証。これからが大いに楽しみだ。
合唱団が健闘したことを考えれば、ソリスト陣には苦言を。
朴さんは語り部役であるが、もうひとつパンチがほしい。また、畑さんも篠部さんも聴かせどころはあったはずだが、いま一歩、二歩...の感。
オラトリオであるが、詩の内容は激しくダイナミック。もっと劇的な表現で合唱との相乗効果があればもっと楽しめたはずだ。
話題はまったく変わるが、挟み込んであったチラシには、6月にドヴォルザークの「スターバト・マーテル」、8月には同「テ・デウム」とある。
東京でも合唱曲を演奏しないわけではないが、オケの数に比しては東京以外に比べて少ないような気がしてならない。音楽文化を豊かにするためになかなか演奏されない合唱曲を紹介する!という使命感に満ちたプロオケは現れないだろうか...
とりあえず、6月、8月の予約しようかな。
〈データ〉
関西フィルハーモニー管弦楽団 第264回 定期演奏会
2915.4.29(水) 14:00
ザ・シンフォニーホール
メンデルスゾーン:聖パウロ
指揮:飯森 泰次郎
ソプラノ:朴 瑛実
アルト:谷地畝 晶子
テノール:畑 儀文
バス:篠部 信宏
合唱:関西フィルハーモニー合唱団
【料金】 B席 3,000円
そう頻繁に演奏される曲ではないが、プロアマ問わなかったら3年に1回ぐらいは日本全国のどこかで演奏している感覚の曲。
マエストロの指揮ぶりもだが、やはりウタファンとしては合唱の出来具合が気になる。
「序曲」が始まり、(序曲の)後半になろうともするのにマエストロの指揮ぶりが大人しい。指揮のキビキビ感が小さいせいか紡ぎ出される音もいまひとつ元気がない感じ。少々お疲れかも...
そんなことを考えていたら、2曲目の合唱 Herr! Der Du bist der Gott,...が始まった。その合唱(こう書いては失礼だが)悪くない。
人数にして100人程度。女声合唱が3分の2を占め、男声は30人いるかどうかという感じ。最初に舞台を見たときは「男声陣やや物足りないか???」と危惧したが、思ったほどバランスも悪くなく、男声陣もそこそこしっかりと聴こえる。
それ以上に印象的だったのは、全員がハーモニーで歌っていたことだ。だれひとりガナルことなく、「聴きあうこと」で豊かな響きが生まれていた。このことは練習の過程で相当訓練されたのであろう。また、人数的に男声が足りない分は女声陣、特にソプラノが引っ張って盛り上げていった感がある。声質も均質化されており美しい響きの箇所も随所にあった。
不明瞭なドイツ語発音、tやdなどの子音の切れ味、pp時の集中力や発声、ダイナミックレンジの拡幅など課題はあるが、一昨年創設したばかりの合唱団で、最後まで同じレベルを保てたことは既にそれなりの力がある証。これからが大いに楽しみだ。
合唱団が健闘したことを考えれば、ソリスト陣には苦言を。
朴さんは語り部役であるが、もうひとつパンチがほしい。また、畑さんも篠部さんも聴かせどころはあったはずだが、いま一歩、二歩...の感。
オラトリオであるが、詩の内容は激しくダイナミック。もっと劇的な表現で合唱との相乗効果があればもっと楽しめたはずだ。
話題はまったく変わるが、挟み込んであったチラシには、6月にドヴォルザークの「スターバト・マーテル」、8月には同「テ・デウム」とある。
東京でも合唱曲を演奏しないわけではないが、オケの数に比しては東京以外に比べて少ないような気がしてならない。音楽文化を豊かにするためになかなか演奏されない合唱曲を紹介する!という使命感に満ちたプロオケは現れないだろうか...
とりあえず、6月、8月の予約しようかな。
〈データ〉
関西フィルハーモニー管弦楽団 第264回 定期演奏会
2915.4.29(水) 14:00
ザ・シンフォニーホール
メンデルスゾーン:聖パウロ
指揮:飯森 泰次郎
ソプラノ:朴 瑛実
アルト:谷地畝 晶子
テノール:畑 儀文
バス:篠部 信宏
合唱:関西フィルハーモニー合唱団
【料金】 B席 3,000円