こうもり@ティアラ

  • 2016.01.17 Sunday
  • 22:29
いやいや...一週間も経たないうちに本番があるスケジュールとは最初聞いたときは「ほんとにできるの?」とさえ思った。それも慣れないオペラだし。。。

「こうもり」の練習(正確には「こうもり」の抜粋と「美しき青きドナウ」の合唱入り)を始めたのは昨年10月末だったろうか。特に難しいのが「美しき...」である。メロディは有名でだれもが知っているが、合唱入りとなるとその認知度は急激に低下するのでは。

ドイツ語はまだしも、貸し譜が手書きで読みにくいいし、何よりウィンナワルツ独特の「ゆれ」を出すのには四苦八苦。仮にリズムも音程も正確に歌えても、それだけでは曲としては成り立たないもどかしさがある。だが、マエストロ稽古やゲネでマエストロ伊藤から、そのコツを教えていただいて少しづつではあるが”それっぽく”なってきたときは喜びもひとしお。

本番では小さなミスもあったが、芸達者なソリスト陣の活躍もありお客様には満足していただけたのではないか。また「美しき...」では我々が歌うと同時にバレエ団の方が躍ったが、流石に素晴らしい舞。

演出の土師さんの「合唱以外の時は一聴衆として劇に参加して」とのありがたい一言もあり、ただ歌うのではなく”一部参加型”の舞台だった。そんなこともあってか「オペラって難しい。しかし楽しい!」ってことを再発見させてくれた楽しいコンサートだった。


〈データ〉

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 創立40周年記念公演
ニューイヤーコンサート
2016.1.17(日) 15:00
ティアラこうとう大ホール

J・シュトラウス2世:オペレッタ「こうもり」

指揮:伊藤 翔
演出:土師 雅人

ロザリンデ:鈴木 慶江
アイゼンシュタイン:土師 雅人
アデーレ:針生 美智子
ファルケ:太田 直樹
アルフレード:渡辺 大
オルロフスキー:磯地 美樹
フランク:加藤 史幸
イーダ:高山 由美

合唱:東京シティ・フィル・コーア
バレエ:東京シティ・バレエ団及び付属バレエ学校生徒



 

戦レク@トリフォニー

  • 2016.01.16 Saturday
  • 23:35
ハーディングが大曲「戦レク」を演るというので行ってきた。「戦レク」も「マーラー8番」と同様、”日常的に演奏する”曲になってきたような気がする。以前は「一度聞き逃したら次はいつのことやら...」と感があったのだが。これも時代の流れだろうか。
合唱は栗友会。いまや新日フィルの演奏には欠かせない存在。今日の人数は約160名ほどか。妥当な数だ。

さて聴いてみた感想はというと...確かにオケもいいし、合唱も水準以上。しかし、こちらに伝わってくるものが少なかったのはなぜだろうか?

生で演奏を聴いたことがある方はご承知のことだが、この曲は大編成オケと室内オケの2編成。テノールとバリトンは室内オケ、ソプラノと合唱は大編成オケがそれぞれの伴奏を担当するというもの。オーウェンの詩とラテン語の典礼文によって分かれているといってもいい。
しかし、作品の核心はテノールとバリトンの語るような歌いであり、それをサポートする室内オケにある。ソロ・コンマスの崔さんが室内オケ側についたことを見ても明らか。
”語り部”である、イアン・ボストリッジ、アウドゥン・イヴェルセンは譜面台が倒れてしまうのではないかと思えるほどの熱演でオーウェンの詩に命を吹き込む。それに呼応するかのように室内オケの切れ味鋭い響きが更に追い打ちをかけ、氷上に立ちすくむような緊張感を生み出した。見事な競演だ。

作品のプログラムノーツの最後に青澤さんは「...終局では、兵士と敵、生者と死者の境を越えた遭遇を物語る戦争詩の最後の言葉 "Let us sleep now...、そして鎮魂の祈りの句 "Requiescant in pace / Amen" が減衰のうちに融和していく。...」と書いてるが、別な言い方をすれば、最後は敵も味方も、生者も死者も関係なく、すべてが和していく。
オケを分け、言葉を混在させ、この意図を音楽で表現しようとしようとしたブリテンの先見性の凄さよ!

こんなことを考えると、こうした作曲家の意図をどう感じるかによって演奏の伝わり方も違ってきてしまう。今日の演奏が個々の演奏に比べてなぜか全体として凄みを感じなかったのは、男性ソリストの意気込みと合唱のそれとのかい離が大きかったのではなかろうか?
だが、理想的な演奏するには難曲であることは確か。それを考えたら、舞台後方の通路に構えた児童合唱までも加えて、最後まで緊張感を失わず作品をまとめ上げたハーディングの力量は確かなものだ。


〈データ〉

新日本フィルハーモニー交響楽団 トリフォニー・シリーズ #551
2016.1.16(土) 14:00
トリフォニーホール

ブリテン:戦争レクイエム

指揮:ダニエル・ハーディング
ソプラノ:アルビナ・シャギムラトヴァ
テノール:イアン・ボストリッジ
バリトン:アウドゥン・イヴェルセン
合唱:栗友会合唱団
児童合唱:東京少年少女合唱隊

【料金】 C席 5,100円

メンコン@東京文化

  • 2016.01.12 Tuesday
  • 23:32
東京は久しぶりの冬らしい寒さで外はブルブルの日。
正直言うと、「この人の弾きっぷりを聴いてみたい」と器楽のソロを聴きに出かけることは声楽ほどにはないが、今絶好調のヴァイオリニストであるイザベル・ファウストが演奏するというので出かけてきた。曲目はメンコン。

上記の理由で、テクニックがどうのとか音がどうのとかは絶対的に聴いている数が少ないし、彼女の演奏スタイルも全く知らないので言及はできないが、聴いてみての感想はというと。。。
一楽章、二楽章ともサラッと弾きすぎていて正直心に染み入ったという感覚ではない。しかし別な見方をすればある意味平然と弾き切ってしまうことが一流の証なのかもしれないとも思った。
しかし流石に最終楽章になると音楽の力がそうさせるのか、それまでとは違い、強力な”意思”が発せられていたことは確か。

来月にはジャニーヌ・ヤンセン、秋にはヒラリー・ハーンと相次いで来日して見事な響きを聴かせてくれるであろうが、それぞれ個性の違いを見つけるのも今後の楽しみである。


〈データ〉

東京都交響楽団 第800回 定期演奏会Aシリーズ
2016.1.12(火) 19:00
東京文化会館 大ホール

指揮:小泉和裕
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
R.シュトラウス:家庭交響曲

【料金】 B席 4,500円

 

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