アレクサンドル・ネフスキー@オペラシティ

  • 2017.01.21 Saturday
  • 22:35

「アレクサンドル・ネフスキー」を演るというのでオペラシティへ行ってきた。オケは東響。といえば合唱はもちろん東響コーラス。さてどんな演奏になるだろうか。

 

昨年初めて、それも生で聴いたのでメロディーはそれとなく覚えていた。

 

7曲から構成されるが第1曲はオケのみ。なんとなく目を閉じて聴いていたら、いつのまにかゆったりとした豊饒な男声合唱の響きが流れてきた。第2曲に入ったのだ。

「満たされた至福の時」と言ったら大げさだが、こんなに染み入る人の声に感動したのは久しぶりかもしれない。

第4曲、力強い合唱が曲を引っ張り、カンタータ最大のクライマックスである第5曲へ。「氷上の激戦」という名前がついているとおり、アダージョから戦闘を描写したオーケストレーションが凄まじい。東響も見事なアンサンブルでその”戦い”を描写していた。途中合唱も入ったが、オケにあれだけ鳴らされるとどんな合唱団も聴こえまい。

第6曲はメゾ・ソプラノ独唱。演奏が始まると舞台上手から歩みだし、終わると場を共有するかのようにそのまま舞台上のイスに座り、終曲の合唱を聴いていた。

 

そんな演奏会風景だったが、演奏自体は素晴らしく聴衆の盛んな喝さいを浴びていた。東響ではここ何年かだけみても、すでに4〜5回はこの曲を取り上げているのではという感覚なので、合唱も歌い方がこなれている気がする。

 

しかしちょっと冷静に考えると、合唱だけの話をすれば合唱らしい響きが堪能できたのは第2曲のみ。誤解を避けるためにあえて言うが、これは合唱団の出来不出来の問題ではなく、曲の構成だから仕方のない話。

 

こういうけたたましい曲はリズムも印象的で確かに派手であるが、後々まで印象に残るかというとどうだろうか?

昨年の大阪での公演評でも書いたが、声楽曲の中では取り上げられる頻度がそれなりにあることが益々不思議に感じられる公演後の印象だった。

 

そうは言うものの、来月は名古屋で同曲の演奏会がある。3回聴けば何か見えてくるかも???

 

 

〈データ〉

 

東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ 第95回

2017.1.21(土) 14:00

東京オペラシティコンサートホール

 

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」 *

 

指揮:飯森 範親

メゾ・ソプラノ:エレーナ・オコリシェヴァ *

合唱:東響コーラス *

 

【料金】 A席 6,000円

 

 

 

 

 

 

ニュー・イヤー・ガラ・コンサート@オペラシティ

  • 2017.01.16 Monday
  • 22:37

職場の方の「無料招待のチケットが余ったので行きませんか?」とのお誘いで、オペラシティへ。

主催は都の財団で、都政のPRも兼ねてのコンサート。有名なオペラアリアやミュージカルの名曲を、「この人もあの人も知ってる!」といったような一流どころに歌ってもらう、贅沢なもの。しかも司会は元日テレアナの永井さん。

 

ただ残念なことに、プログラムに曲目は載っているが誰が歌うかの記載がないので、記憶は心もとない。

印象に残ったのは、NHKのニューイヤーにも出演し、いちばん声がまっすぐ伸びていた感のある森谷さんと見栄えがする金山さん。金山さんはミュージカルでも行けそうなマスクと声の張りがいい。

 

初めて電子アルガンによる伴奏を聞いたが、50人のオーケストラが演奏しているような様々かつ多重な響きにびっくり。

 

 

〈データ〉

 

ニュー・イヤー・ガラ・コンサート

2017.1.16(月) 19:00

東京オペラシティコンサートホール

 

 1.  オペラ「椿姫」より“乾杯の歌”

 2.  オペラ「カルメン」より“ハバネラ”

 3.  オペラ「カルメン」より“闘牛士の歌”

 4.  オペラ「ホフマン物語」より“森の小鳥はあこがれを歌う”

 5.  オペラ「蝶々夫人」より“花の二重唱”

 6.  オペラ「トスカ」より“妙なる調和”

 7.  オペラ「セヴィリアの理髪師」より“今の歌声は”

 8.  オペラ「サムソンとデリラ」より“あなたの声に心は開く”

 9.  オペラ「蝶々夫人」より、“ある晴れた日に”

10. オペラ「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ”

 

11. 組曲「惑星」より“火星”(電子オルガンソロ)

12. オペレッタ「こうもり」より“侯爵さま、貴方というお方は”

13. オペレッタ「ほほえみの国」より“君こそ我が心の全て”

14. ミュージカル「ラ・マンチャの男」より“見果てぬ夢”

15. ミュージカル「オペラ座の怪人」より“All I ask of you…”

16. ミュージカル「レ・ミゼラブル」より“夢破れて”

17. ミュージカル「レ・ミゼラブル」より“STARS”

18. ミュージカル「ニューオーリンズの美女」より“Be my love”

19. ミュージカル「ジキルとハイド」より“This is the moment.”

20. ミュージカル「メリー・ウィドウ」より“唇は語らずとも”

21. ミュージカル「レント」から“シーズンズ・オブ・ラブ”

 

ソプラノ:高橋 唯、森谷真理

メゾ・ソプラノ:富岡明子、下園理恵

テノール:樋口達也、金山京介

バリトン:大沼徹、加來徹

 

電子オルガン:清水のりこ

 

司会:永井美奈子

 

 

 

 

Die Fledermaus@Bayerische Staatsoper

  • 2017.01.08 Sunday
  • 23:31

ミュンヘンはここ何日か雪だったようで、街中が雪景色。8日の朝も目が覚めると、いつ降りだしてもおかしくないどんよりとしたくもり空。予想通り、まもなくこらえきれなくなった氷の結晶がぱらぱらと落ち始め、またたく間に本降りに...氷の”泣き”と”笑い”は一日中続き、Staatsoperに向かう人々も慎重な足運びをせざるをえない状況に。結局Staatsoperには降りしきる雪を見ながらの入場となった。

建物外観はギリシャ神殿様式の列柱で壮観だが、内部は意外にも地味な雰囲気。

 

さて今日の演出はというと、基本は外さないものの、ウィット感が随所に。

直径3mはあろう大きなリング(結婚指輪の象徴?)を用意して2人でアリアを歌わせたり、第2幕の舞踏会の場面では舞台いっぱいに白いロングテーブルが用意され、時には女性が机上で踊ったり、時には男女別れてテーブル越しに恋の駆け引きを繰り広げたりと忙しい。

 

第3幕の刑務所内の場面では一昨日と同様に、フロッシュの独断場。

今日は特に独演会を聴いてるかのような雰囲気で、ドイツ語はさっぱりで笑いや拍手から取り残されたことは変わらないが、「トランプ」とか「プーチン」とかの響きが聞こえたことから想像すると、かなり風刺が効いたフロッシュだったことは確かなようだ。

 

しかしなんと言っても今日最大の収穫はペトレンコが聴けたこと。作品の魅力を存分に引き出せたかどうかはわからないが、終始キビキビとした音楽運びと手際の良さ、聴衆の熱い支援を考えると、次期ベリリン・フィルの音楽監督も期待十分だろう。

 

P.S. 第2幕終了後、35分程度の休憩があったが、休憩時間中は会場内の入り口が一斉に閉められて「入場不可」に。予鈴により全員が短時間に再入場する仕組み。たぶん、「場内撮影禁止」のため、著作権管理の関係から休憩時間中に撮影させないことが主な理由だろう、ちょっとびっくり。

 


 

 

〈データ〉

 

Die Fledermaus

Sonntag, 08. Januar 2017

17.00Uhr - 20.20Uhr

Bayerische Staatsoper

 

Musikalische Leitung:Kirill Petrenko

Regie:Andreas Weirich

nach einer Inszenierung von:Helmut Lehberger, Leander Haußmann

Bühne:Bernhard Kleber

Kostüme:Doris Haußmann

Choreographie:Alan Brooks

Licht:Michael Bauer

Chor:Sören Eckhoff

 

Gabriel von Eisenstein:Johannes Martin Kränzle

Rosalinde:Elena Pankratova

Frank:Christian Rieger

Prinz Orlofsky:Daniela Sindram

Alfred:Edgaras Montvidas

Dr. Falke:Björn Bürger

Dr. Blind:Ulrich Reß

Adele:Anja-Nina Bahrmann

Frosch:Cornelius Obonya

Ida:Eva Patricia Klosowski

Ivan:Jurij Diez

 

Bayerisches Staatsorchester

Chor der Bayerischen Staatsoper

 

【Preise】 53.50 EUR

 

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