イル・カンピエッロ@新国立劇場
- 2018.03.08 Thursday
- 23:12
砂田さんの3年間の研修を締めくくる修了公演に行ってきた。
演目はヴォルフ=フェッラーリの「イル・カンピエッロ」。
まず、ほとんどなじみがないといっていい作品で、仕事の都合で第2幕から入ったので余計に流れがわからずじまい。
その後のストーリーを見てもドタバタ劇風で、台本や音楽そのものも抑揚感に乏しい気がした。
そんなわけで、個々の研修生の歌唱に注目だが、贔屓目なしに砂田さんの歌唱は、芯ある凛とした声が、見えない壁を突き抜けるかのような勢いでストレートに発せられ、ぐぃっと伸びていくようで、一頭地を抜いていた。
演技力も申し分なく、喜怒哀楽にスピード感が求められる今日のルシエータのような役は最も彼女の力量が発揮できる役柄かもしれない。
アンゾレート役の氷見さんも、確かな歌唱と落ち着いた立ち回りで好演。賛助出演の清水さんはもはや別格。
同期の修了生でも、個人ごと達成具合の差があるのは事実。大切なのは、そのことをしっかりと受け止めていかに努力し、克服して自分を伸ばしていけるか。修了生全員の今後の健闘を願うばかりだ。
P.S. 入場時、偶然にも第1幕終了後の休憩タイム。ふとなにげなく周りを見渡すと、御大マエストロ飯守の姿が。
受付の方に「飯守先生いらっしゃってますね」と話すと「ええ、是非にとのことでしたので」とのこと。さてお座りの席は?と思ったら、当然ながら、センターのセンター席。自席もほぼセンターの後方だったが、その数列前に。
さて、マエストロは公演を聴いてどんな感想を持ったのだろうか...
〈データ〉
新国立劇場オペラ研修所終了公演
2018.3.8(木) 18:30
新国立劇場 中劇場
ヴォルフ=フェッラーリ:イル・カンピエッロ(全3幕)
ガスパリーナ:宮地江奈
ドナ・カーテ:水野 優
ルシエータ:砂田愛梨
ドナ・パスクア:濱松孝行
ニェーゼ:吉田美咲子
オルソラ:十合翔子
ゾルゼート:荏原孝弥
アンゾレート:氷見健一郎
アストルフィ:高橋正尚
ファブリーツィオ:清水那由太
指揮:柴田真郁
管弦楽:新国立アカデミーアンサンブル
合唱:国立音楽大学、昭和音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学 各大学有志
【料金】 全席指定 4,320円