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トノの音楽そぞろある記

歌と音楽に関するコンテンツです
第60回 NHKニューイヤーオペラコンサート@TV
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    恒例のニューイヤーオペラ。いくつか感想を。

     

    ・中村さんや森谷さんといった”海外帰国組”の力強い歌唱がいい。

    ・ヘンデルのオペラから3曲は出色の出来。多くの方に知ってもらうには最高の機会。それにしても森さんはバロックオペラも雰囲気どおりに確実に歌いこなす力量には敬服。

    ・中嶋さんの色気ムンムンは年毎に魅力を増しているような気がする。

    ・今日一番の出来は、アイーダ。笛田さんもすばらしかったが、それ以上に清水さんは凄味があり、世界に通用する力量。

    ・藤村さんは切れのある歌唱でコンサートを閉めた。

     

     

    〈データ〉

    第60回 NHKニューイヤーオペラコンサート
    2017.1.3(火) 19:00〜21:00
    NHK Eテレ

    指 揮:広上 淳一
    管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
    合 唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部

    [ゲスト]鈴木雅明(指揮) / バッハ・コレギウム・ジャパン *

    司会:石丸幹二、高橋美鈴アナウンサー

     

     1.レオンカヴァルロ:歌劇「道化師」から「ほら、急げ」/合唱

     2.ベッリーニ:歌劇「ノルマ」から「清らかな女神よ」/大村博美(S)

     3.プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」/村上敏明(T)

     4.プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から「氷のような姫君の心も」/中村恵理(S)

     5.ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から「私は町のなんでも屋」/上江隼人(Br)

     6.ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から「かげぐちはそよ風のように」/妻屋秀和(Bs)

     7.モーツァルト:歌劇「イドメネオ」から「心乱れ怒りが込み上げる」/森谷真理(S)

     8.モーツアルト:歌劇「魔笛」から「愛の喜びは露と消え」/砂川涼子(S)

     9.モーツアルト:歌劇「ドン・ジョバンニ」から「地獄落ち」/黒田博(Br) 久保和範(Br) ジョン・ハオ(Bs)

    10.ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」から「この悪党め!」/折江忠道(Br)

     

    11.ヘンデル:歌劇「タメルラーノ」から「非道な者よ、お前に戦いに挑むために」/櫻田亮(T) *

    12.ヘンデル:歌劇「ロデリンダ」から「いとしい人よ あなたはどこに」/藤木大地(Ct)*

    13.ヘンデル:歌劇「ジュリアス・シーザー」から「戦闘のシンフォニア」〜「嵐で木の船は砕け」/森麻季(S) *

     

    14.ヨハン・シュトラウス:喜歌劇「ヴェネチアの一夜」から「ほろ酔いの歌」/中嶋彰子(S)

    15.カールマーン:喜歌劇「チャールダッシュの女王」から「踊りましょう」/中嶋彰子(S)西村悟(T)

    16.ヨハン・シュトラウス:喜歌劇「こうもり」から第2幕フィナーレから/合唱

    17.ジツィンスキー:ウィーンわが夢の街/中嶋彰子(S)西村悟(T)

    18.ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」から友情の二重唱「われらの胸に友情を」/与儀巧(T)高田智宏(Br)

    19.ヴェルディ:歌劇「アイーダ」から二重唱「すでに神官たちは待っています」/清水華澄(Ms) 笛田博昭(T)

    20.ワーグナー:歌劇「ローエングリン」から「婚礼の合唱」(合唱)

    21.ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」/池田香織(Ms)

    22.マスネ:歌劇「ウェルテル」からオシアンの歌「春風よ、なぜ私を目ざますのか」/福井敬(T)

    23.チレーア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」から「苦い喜び、甘い責め苦を」/藤村実穂子(Ms)

    24.ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」から「すべてこの世は冗談」/出演者全員、合唱

     

     

     

     

    | 声楽曲2017 | 20:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
    Neujahrskonzert@TV
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      今年は若手実力者、ドゥダメル。

      シモン・ボリバルオケで脚光を浴びてから随分経つ感じだがまだ35歳らしい。まだまだ伸びる逸材。演奏もキビキビ感満載だが、奇をてらわないところがいい。

      それにしても、世界中が注目するクラシックの祭典ともなった「ニューイヤー」を弱冠35歳で振るなんて、どんな心境だろうか...

       

       

      〈データ〉

      ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート 2017
      2017.1.1(日) 19:00〜22:00
       NHK Eテレ
       

      Dirigent: Gustavo Dudamel

      Orchester: Wiener Philharmoniker

      Chor: Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien

       

      Franz Lehár: Nechledil Marsch aus der Operette Wiener Frauen

      Émile Waldteufel: Les Patineurs. Walzer, op. 183

      Johann Strauß (Sohn): S' gibt nur a Kaiserstadt,s' gibt nur a Wien. Polka, op. 291

      Josef Strauß: Winterlust. Polka (schnell), op. 121

      Johann Strauß (Sohn): Mephistos Höllenrufe. Walzer, op. 101
      Johann Strauß (Sohn): So ängstlich sind wir nicht! Schnell-Polka, op. 413

       

      -- Pause --

       

      Franz von Suppé: Ouvertüre zu Pique Dame

      Carl Michael Ziehrer: Hereinspaziert! Walzer aus der Operette „Der Schätzmeister“, op. 518

      Otto Nicolai: „Mondaufgang“ aus der Oper „Die lustigen Weiber von Windsor“

      Johann Strauß (Sohn): Pepita-Polka, op. 138
      Johann Strauß (Sohn): Rotunde-Quadrille, op. 360
      Johann Strauß (Sohn): Die Extravaganten. Walzer, op. 205

      Johann Strauß (Vater): Indianer-Galopp. op. 111

      Josef Strauß: Die Nasswalderin. Polka mazur,op. 267

      Johann Strauß (Sohn): Auf zum Tanze! Polka schnell, op. 436
      Johann Strauß (Sohn): Tausend und eine Nacht. Walzer nach Motiven der Operette "Indigo"
      Johann Strauß (Sohn): Tik-Tak. Polka schnell, op. 365


      Johann Strauß:An der schönen,blauen Donau, op. 314
      Johann Strauß (Vater):Radetzky-Marsch.op.228

      | オーケストラ2017 | 22:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
      やまと第九@やまと芸術文化ホール
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        「大和市の新ホールの開場記念に第九を歌う機会があるんだけど...」との話が合った時、遠距離でもあるため普通なら参加することはなかった。しかし、音友の箕輪さんが振るとなれば話は違う。喜んではせ参じた。

         

        ぶっつけ本番程度にしか練習に参加できなかったのため、この日のために努力を積み上げてきた地元の方には申し訳ない気持ちでいっぱい。しかし、であるからこそ自分の持っているものを出し切り、少しでもいい演奏に貢献できればと奮闘したこともまた確か。


        「なかなかやるじゃない」というのが、箕輪さんへの感想。

        決して派手ではないが、確実に音楽を作り上げていく真摯な姿勢は確かな音の響きを生む。特に第三楽章は彼の優しさがあふれ出る秀演。また、意識はしていないのに、各パートの音が良く聞こえてきたのにはビックリ。いままでこれほどまでに聞こえたことはなかった。

        合唱もアマアチュアにありがちな「ガナって終わり」の姿は全くなかったし、何よりオケとのバランスが申し分なかったことも称賛されるべきこと。

         

        年末にかけてあまた演奏される「第九」のひとつ、と言ってしまえばそれまでだが、参加者それぞれに思いを残したのは事実。

        音楽の素晴らしさを改めて感じた機会であった。

         

         

        〈データ〉

         

        大和から世界へ 響け!歓喜の歌

        やまと第九

        2016.12.11(日) 15:00〜

        やまと芸術文化ホール メインホール

         

        べートーヴェン:交響曲第九番

         

        指揮:箕輪 健太

        ソプラノ:峰岸 優子

        メゾ・ソプラノ:里 まり

        テノール:宮津 祥行

        バリトン:大槻 聡之介

        管弦楽:やまと国際フィルハーモニー管弦楽団

        合唱:やまと国際オペラ協会 第九合唱団

         

        | 出演2016 | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
        藝大フィルハーモニア合唱定期@奏楽堂
        0

          ここ何年かは毎年11月になると気になる「藝大フィルハーモニア合唱定期」。今年はお気に入りウォルトン「ベルシャザールの饗宴」がメインプロなので気合も充実。チケットは早々と手配。そして前半はデュリュフレ「レクイエム」というのだから合唱ファンには申し分のないプログラム。因みに今年はデュリュフレ没後30年という。

           

          前半のデュリュフレ。有名ではあるが個人的には初めて聞く機会(演奏する機会もあったのが残念ながら逃してしまった 。)この曲はよくフォーレの延長線上にあるといわれるが、聞けば納得の感。様式からだろうが、曲全体が持つ雰囲気がフォーレの作り出した世界に力強さと壮麗さといった、新たな命を吹き込む感じ。

          演奏は申し分ないし美しかった。が、この曲をオケ付きで演奏するには約180人になろうとする人数は正直多すぎると感じたことも確か(今回はメインプロに合わせただろうから仕方ないが...)

          確かに理論的には何人だろうと「ハモる」ことは可能だが、現実は人数が増えれば「ハモらない」要素も増えることになるので、なかなか難しい。また、曲が持つ雰囲気から考えても、より少ない人数で聴かせたほうが心に染み入ってくるような気がするのだが...

          藝大生なら半分の90人程度でも「Domone Jesu Christe」や「Sanctus」や「Libera me」の持つ情熱を十二分に表現できるだろう。

           

          後半のウォルトン。金管が咆哮し、バンダが両サイドから鳴り響くけたたましい曲には、前半とは打って変わって180人は最適の人数。冒頭のアカペラでの男声合唱等男声が活躍する曲を意識してか、前半とは変更し、男声をセンターに、その両サイドを女声が固める配置に。これも納得の感。

          よく訓練された藝大生の集中度の高さとその若さの爆発、尾高さんのメリハリの利いた指揮、そしてバリトンの黒田さんの、未完ではあるがまっすぐに通るその伸びやかな声、すべてが相まって演奏は最後まで緊張感に溢れ、これまで聴いた同曲の中では最高の快演だった。

           

          向井さんは公演のプログラムノーツに、デュリュフレのレクイエムを「抑制されたシックな響きの中、合唱そのものの美しさが際立つ「祈り」の音楽」と、ウォルトンのベルシャザールの饗宴を「輝かしいブラスの響きを特徴とする大編成のオーケストラと大合唱によって描き出される壮大なスペクタクル」と書かれている。まさにその通りで、一つの演奏会で、大きく性格が異なる声楽作品を堪能できたことは、藝大ならではかもしれない。

           

          それにしても、そんな2曲を見事に歌い切った藝大生の皆さんには、心からから ”素敵な演奏ありがとう!お疲れ様”と言いたい。

           

          P.S. プログラムに挟み込んであったチラシの一枚が気になった。そこには「勝部太 東京藝術大学退任記念演奏会」との文字と勝部さんの写真が。

          ある時代は個人的には、バリトンといえば勝部さん。確かある合唱団でご一緒させたいただいたことも...時は移ろうもの。

           

           

          〈データ〉

           

          藝大定期 第379回 藝大フィルハーモニア管弦楽団 合唱定期演奏会

          2016.11.27(日) 15:00

          東京藝術大学奏楽堂

           

          デュリュフレ:レクイエム 

          ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」*

           

          指揮:尾高 忠明

          メゾ・ソプラノ:野間 愛

          バリトン:西久保 孝弘

          バリトン:黒田 祐貴 *

          オルガン:千田 寧子

           

          【料金】 全席自由 3,000円

           

           

           

           

          | 声楽曲2016 | 22:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
          筋肉少女帯@EX THEATER ROPPONGI
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            誘われて、「筋肉少女帯」のライブに六本木まで出かけた。彼らのことで知っていることといえば、大槻ケンジとそのグループ名ぐらいしかないが、聞くところによると”再結成10周年”のツアーの最終日らしい。

            取り合えず好奇心は旺盛なので、普段は縁遠いが「せっかくだから見てやろう」という野次馬根性のなせるわざか...今回は観察記。

             

            入場して「キャパはどのくらいだろう?」と眺めた。2Fは指定席(椅子席)だが、1Fはすべて立ち席の様子。最初「1,000人は入るだろうか?」と思ったが、後で調べたら1、700人余のキャパらしい。1Fにかなり詰め込んでいる感があるのも納得。

             

            コンサート開始。

            1Fはコアなファンなので最初からノリノリ。自分が座った2Fはというと、もちろんいきなりスタンディングの人もいるが、座っている人も2割?はいるだろうか。特に最前列はほとんど座っていた(しかし、これは後ろのお客さんへの配慮からかも...)

             

            気になったファンの動作。

            ひとつは全員一斉にあたかもオールをこぐかのように、体を前後に動かすこと。もう一つは、女性に多い?が頭をグルグル振り回すこと。女性の場合は頭髪も長いのですごいことに。尋常ではない速さと激しさ!見ているこっちが目が回りそう...右前に座っていた女性2人組は凄かった!

             

            途中何回かのトーク。

            大槻ケンジがあんな話し方とは初めて知った。トークの中で親近感がわいたのは「五十肩で方が上がらなくてマッサージしてもらったよくなった」とか「こうやって年取っていくんだろうな、みんなも...でもオレはいやだぜ!」とか、多くのファンが共感?したこと間違いなし。

             

            たった一曲でさえ曲目はわからなかったが、「なんでもライブは面白い!」と感じた2時間だった。

             

            P.S. 帰りに寄った「蒼龍唐玉堂」の餃子、美味しかったです。

             

            〈データ〉

             

            筋肉少女帯 「再結成10周年 パーフェクトベストTOUR」

            2016.11.26(土) 18:00

            EX THEATER ROPPONGI

             

            【料金】 6,900円

             

             

            | その他 | 22:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
            ドン・パスクァーレ@湖北地区会館
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              砂田さんが出演するというので我孫子まで行ってきた。演目は「ドン・パスクァーレ」。内容はご存知の通り、「お年を召してからの年の差婚は慎まなくては...」という教訓めいたセリフで終わる喜劇であるが、演奏は想像以上に充実したものであった。

               

              まず、ドン・パスクァーレ役の金子さんが手がけたという演出、派手ではないが今に生きる我々の”共感”を感じさせるもの。

              たとえば冒頭「序曲」に乗って登場してきたパスクァーレは介護を受けるかのような状態で、使用人と思しき女性2人にズボンを履かされる始末。ところがミニスカートの若い女性は通り過ぎる時は急に”シャキッ!”となって別人のよう。その視線の先は女性の足に...

               

              そんな小技の利いた演出をバックに、出演者の歌唱も演技も非常に秀逸。

              ドン・バスカーレ役の金子さんは太くて響く声で主役を最後まで熱演。役になり切った衣装や演技も相まって最後まで楽しませてくれた。

              砂田さんも初めてノリーナ役を歌うとのことだが、これがまた素晴らしい!ある時はチャーミングだったり、ある時はいじらしかったり、そしてある時は小悪魔的だったり...と、自在に立ち振る舞いを変える役をきっちりと演じ分けていた。それも高い歌唱力とともに。

              エルネスト役の曽我さんは軽く伸びやかな声が魅力だし、マラテスタ役の薮内さんはスカッとするバリトンだが、演技も堂に入ったもの。

              たぶん金子さんが指導していると思われる合唱関係の方も、他の役柄(冒頭のお二人の女性も)で参加。有名な「なんて果てしない騒ぎでしょう」も歌って健闘。

              さらに驚くのは、抜粋かと思いきや全3幕を通したこと。あっという間の2時間半だった。

               

              先日、びわ湖ホールで聴いたばかりの今日の演目。比べるつもりはまったくないが、本来の”演技+歌”を見たい聴きたいのなら、このくらいの小ホールが理想だ。やはり演技者の表情がわかるのは歌にも相乗効果があり、特に”歌”を聞かせるドニゼッテイは最適だ。

              また、地域でのささやかな活動の成果としてプロもアマも楽しめる場づくり。そんな地道な活動も今後とも応援していきたいと感じたひと時であった。

               

               

              〈データ〉

               

              PICCOLO TEATRO ABIKO

              2016.11.23(水) 14:00

              我孫子市湖北地区公民館

               

              ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」(全3幕)

               

              ドン・パスクァーレ:金子 亮平

              ノリーナ:砂田 愛梨

              エルネスト:曽我 雄一

              マラテスタ:薮内 俊弥

              公証人:浅山 裕志

               

              指揮:澤木 和彦

              ピアノ:中村 文美

              合唱:The Lacas

               

              【料金】 3,500円

               

               

               

               

               

               

              | オペラ2016 | 22:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
              ドヴォレク@Gewandhaus
              0

                11時からのマチネーに間に合うように、朝9時20分発のICEに乗ってドレスデンからライプツィヒへ。会場はあのゲヴァントハウスだ。

                「ドヴォレク」のチケットは予約できていたので安心して?座席へ。内部は日本で言えばベルリンのフィルハーモニーを参考にしたというサントリーホールのようなつくり。正面にパイプオルガンを据え付け、舞台を囲むように座席が配置されている。列の前後の座席は完全にかぶっているが、列間に相応の勾配があるので前に座った人の頭は気にならないかも。

                 

                そんな居心地がいい会場で演奏されたドヴォレクはというと...これが想像以上のすごい演奏だった。そして真っ先に賞賛されるべきは合唱団の力だろう。

                 

                冒頭の”Requiem aeternam”の豊かなで立体的な響きも尋常ではなかったが、”Dies irae”のなんと地強くかつ自由自在なことか。場合によっては危うさも秘めている曲にもかかわらず、荒れ狂う生き物を完全にコントロール下に置いたように、音の躍動感はまったく失われることもなく、自ら意思をもったような音の連なりは見事!その後の”Confutatis maledictis”も同様にまったく危なげがない

                 

                そして今日の頂点とも言える響きが、第一部が"Amen"で終わった後しばらく間をおいて開始された、男声合唱から始まる第二部 ”Domine Jesu Christe, Rex gloriæ"である。その第一声を聴いたときの感動は今思い出しても熱くなる。やわらかな響きが場内に降り注ぐさまはこの世のものとは思えない。曲が進むにつれて、なぜか涙腺がゆるくなってついに頬を一滴のしずくがとめどもなく伝わり始めた時は自分でも正直、「まいった」。なんということをしてくれるのだろうか、この合唱団は...

                 

                指揮者がタクトを下ろした数秒後まで曲に漲る緊張感は失われず、場内の喝采は次第に大きくなり、最後はスタンディングオヴェーションに...多くの聴衆が今日の演奏に共感したことが伺える光景だ。改めて、とんでもなく内容の充実した曲であり、再現が難しい曲であることを再認識。

                「合唱」に接して久しいが、これほど感動を受けた演奏にめぐりあったことはかつてなかった。それほどに今日の演奏はある意味まれで、奇跡的とも言える。

                 

                演奏したMDR Sinfonieorchester とRundfunkcorは放送局の改編で名称こそ変わったが、前身はかつての「ライプツィヒ放送交響楽団&合唱団」。伝統の力は常に発揮されるわけではないだろうが、数々の名演を残してきた団体の流れを汲む楽団だけに、その力を遺憾なく発揮したことは確かだ。

                 

                普段の合唱練習では「ハモる」ことは最大限の目標としてしているが、なかなか実現できるものではない。またそれが大切なことは頭では理解しているが、場合によっては「音の圧」を求める自分がいることも確か。しかし、そんな中途半端な考えは今日の演奏を聴いて吹っ飛んだ。

                実を言うと今日の合唱団の人数、男声女声とも30人程度の計60人ほどだ。この大曲をたった60人ほどでオケに伍した演奏をするなんて、「ハモる」ことの何者もできないだろう。ただただ「ガナる」ことがなんと愚かなことことよ...

                 

                残念ながら、今日のような演奏をできる合唱団は今の日本にはない。それはプロもアマもだ。ドイツの一地方の団体が今日のような演奏会を”平然”とやってしまうことに、音楽の裾野の広さと懐の深さを感じたと同時に、今まで自分がやってきたのは果たして「合唱」と言えるのか自問自答してしまうような心境になった。

                 

                決して忘れることはない、心に深く刻まれた演奏会であった。

                 

                 

                〈データ〉

                 

                 

                MDR Matineekonzert


                Gewandhaus Leipzig - Großer Saal

                 

                Antonín Dvořák — Requiem op. 89

                 

                Tomáš Hanus Dirigent

                Simona Šaturová Sopran

                Ulrike Schneider Alt

                Norbert Ernst Tenor

                Jan Stava Bass

                 

                MDR Sinfonieorchester

                MDR Rundfunkchor

                 

                【Preise】 37.50€

                | 声楽曲2016 | 18:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
                ユリア・フィッシャー@Schauspielhaus
                0

                  ユリア・フィッシャーが出演する演奏会がドレスデンであるというので、18日からドレスデンに来ている。

                  こう書くと「わざわざ聴きに???」と聞こえるが、先に外遊の予定を決め演奏会を探していたら、ドレスデンで彼女が出演するというので...というのが正直なところだ。

                   

                  曲はハチャトリアンの協奏曲。この曲を聴くのは初めてだが、そんなことはまったく関係ない。前から3列目という好位置のためだけでもなかろうが、冒頭から彼女の勢いに圧倒された。

                   

                  バイオリン曲をそれほど聴いているわけでもなく、ソリストをそんなにつぶさに見ているわけでもないないが...

                  ソリストは極端に言えば2通りのタイプに分類されるかもしれない。

                   

                  一つ目は「わたしについてきて!」とただひたすらに自分の世界を表現することだけに集中するタイプ。指揮者もオケもとにかくソリストが引きやすいように合わせる。

                  二つ目は”協奏”の名のごとく、ソロではあるが、ある意味も自分のオケの一員のように指揮者を見続け協調するタイプ。今日の彼女は明らかに後者である。

                   

                  「どこからでもいいわよ」と言わんばかりの自信たっぷりの、変幻自在の演奏ではあるが、その立ち位置が指揮者より客席側に出ることも皆無。体が客席に対して平行になるような状態のときはほとんどなし。

                  指揮者と終始コンタクトを取るため、その立ち位置は指揮者より一歩下がってオケ側にあり、体も客席とは45度の関係。

                   

                  こういう演奏が出来るのも、指揮者やオケとの信頼関係があるからかもしれない。リラックスして演奏していたのは明らかに見て取れるし、緊張の中にも時には笑みさえ感じされる余裕。なかなか普通の状態では見られるものではない。

                   

                  力むことなく、曲の入りと終わりにまったく隙がなく、最後の一音までよどみなく弾ききるという姿勢。そんな彼女の演奏を聴くと、アンコール曲のパガニーニの奇想曲も、ある意味普通の曲でしか聞こえなくなる。

                  超一流演奏家の”凄み”を肌で感じた貴重な一夜であった。

                   

                  さて、明日はライプツィヒに移動して、ドヴォルジャークの「レクイエムだ」。

                   

                  P.S.1

                  実を言うと、今日のチケット、4月前にネット照会したら「売り切れですが、開演一時間前にボックスオフィスへ。聴けるチャンスがあります」とのメールをもとにひたすら待ち。結局、開演2分前に座席未定券が手に入り、オフィスのお兄さんとホールへ駆け上がり、本人登場10秒前に座席に滑り込んだという席。執念が実ったので、感慨もひとしお。

                   

                  P.S. 2 ドレスデンで一考

                  初めてのドレスデン(初めての旧東ドイツ)。人口は50万を超えるというが、トラム(路面電車)網が街中に縦横無尽に張り巡らされ便利至極。街にセカセカ感がなく、ゆったりとしていて生活を楽しんでいる印象。

                  また、他の欧州のどの街もそうかもしれないが、必要以上に街中に照明をつけないので、無駄な明るさがない。駅前でさえ暗い部分があるがそこは必要ないからだろう。

                  そのためか、スポットライトを浴びた名所旧跡の建造物がよく映える(Semper operの雄姿、素晴らしかった)。観光の意味合いもあるかもしれないが、それだけ自分たちの歴史に誇りをもっていることの証でもあろう。

                  翻って日本でもこの手の話は遡上に上って久しい。「街が明るすぎる」という議論だ。昔日の日本人は「闇」を楽しむことを知っていたが、いまはどの街でも明るい。中には「ここまで明るくしなくても」というところさえ照明がついていたりする。最近では防犯上の理由から「もっと街灯を増やして明るくして」という意見も多いらしい。

                  日本人は「明るさ」+αを手に入れたが、それによって失ったものがあることも知らずに過ごしてきたかもしれない。

                   

                   

                  〈データ〉

                   

                  Philharmonie im Schauspielhaus

                  19.11.2016  19:30 Uhr
                  Schauspielhaus - Großes Haus

                   

                  Aram Chachaturjan:Konzert für Violine und Orchester d-Moll
                  Dmitri Schostakowitsch:Sinfonie Nr. 5 d-Moll op. 47

                   

                  Michael Sanderling: Dirigent
                  Julia Fischer: Violine

                   

                  Die Dresdner Philharmonie

                   

                  【Preise】 10€

                  | オーケストラ2016 | 23:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  NNTT@新国立劇場
                  0

                    新国立劇場のオペラ研修生によるオペ・ガラ・コンサート。砂田さんからのお誘いもあり、昨年に続き行っていた。

                    今年は17期から19期の14名の出演。開幕冒頭、期毎に出演者が紹介されるが、19期(1年次)は5人中4人が男性。従前は女性上位?だったのでバランスの面からも頼もしい限り。

                    気になった方を取り上げると...

                     

                    ”月よ”を歌った城村さん、会場に包み込む可憐な響きが印象的。心満たされる感じだ。

                    ”私は街の何でも屋”を歌った大野さん、よく通る、芯のあるバリトンだ。この曲、バスティアニーニやプライの名唱が頭を過るが、大いに健闘していた。

                    ”20スクーディ”を歌った伊良波さん、役柄からでる”チョイ悪”感が魅力だし、声もおおらかに響く。そう言えば7月の研修生による試演会の「ジャンニ・スキッキ」でもいい味出していた。今後が楽しみなひとりだ。

                    そして、砂田さん。今回はトマの「ハムレット」から”私も遊びの仲間に入れてください”を歌ったが、その息のコントロールテクニックは驚異的。まさに自在に操っているようだ。

                     

                    歌唱後はそれぞれの課題が頭をよぎったと思うが、更なる精進を期待していきたい。

                     

                     

                    〈データ〉

                     

                    NNTT Young Opera Singers Tomorrow

                    2016.11.8(火) 19:00

                    新国立劇場 中ホール

                     

                    ・ドニゼッティ『連隊の娘』より「フランスに敬礼!」 マリー:吉田美咲子

                    ・ヴェルディ『椿姫』より「ああ、そはかの人か 〜 花から花へ」 ヴィオレッタ:宮地江奈

                    ・モーツァルト『ドン・ジョバンニ』より「カタログの歌」 レポレッロ:氷見健一郎

                    ・戸口純『白狐』より「月よ」 コルハ:城村紗智

                    ・ロッシーニ『セビリアの理髪師』より「あの不思議にして万能の」 伯爵:荏原孝弥、フィガロ:高橋正尚

                    ・ロッシーニ『セビリアの理髪師』より「私は街の何でも屋」 フィガロ:大野浩司

                     

                    ・オッフェンバック『ホフマン物語』より「美しい夜、おお恋の夜〜舟唄〜」 ニクラウス:十合翔子、ジュリエッタ:城村紗智

                    ・トマ『ハムレット』より「私も遊びの仲間に入れてください」 オフェリ:砂田愛梨

                    ・ドニゼッティ『愛の妙薬』より「20スクーディ!」 ベルコーレ:伊良波良真、ネモリーノ:水野優

                    ・グノー『ファウスト』より「トゥーレの王〜宝石の歌」 マルグリート:西尾友香理

                    ・プッチーニ『ラ・ボエーム』より「冷たい手」 ロドルフォ:水野秀樹

                    ・チレア『アドリアーナ・ルクヴルール』より「苦い喜び」 ブイヨン公妃:高橋紫乃

                    ・ヴェルディ『ナブッコ』より「行け、想いよ、黄金の翼に乗って」 研修生全員

                     

                    ピアノ:石野真穂、高田洵子

                     

                    【料金】 2,160円

                    | 声楽曲2016 | 22:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
                    アレクサンドル・ネフスキー@ザ・シンフォニーホール
                    0

                      プロコフィエフの代表的な声楽曲、「アレクサンドル・ネフスキー」を聴きに大阪まで出かけてきた。ご存知のとおり、この曲はもともとエイゼンシュテイン監督の同名の映画で彼が曲をつけたもの。しかし、作品としてのこの曲は、単なる映画音楽の組曲ではなく、構成も管弦楽法も変更した”別作品”として完成させたとのこと。

                       

                      またこの曲、意外と?演奏されており、ここ5年間でも年一回はどこかで演奏されているのでは?という頻度感覚。

                      個人的には曲があることは随分前から知っていたが、全曲聴くのはCDでも生でも初めて。うかつであったかも...

                       

                      とにもかくにも聴き終わった印象は...

                      曲としては、丁寧に字幕もついて歌詞はわかり1曲1曲は印象的な部分もあるが、全7曲のつながりがよくわからない。しかし、そこは熱い指揮とそれに食いついていこうとする楽団員の姿勢が曲全般に満ちていたことで満足。5曲目のオケ部分などは最たるもの。

                      合唱も健闘はしているが、やや自発性が感じられず、曲や指揮者に歌わされている感があった。またロシア語の発音が不明瞭で言葉が立っていないためffでも平板に聴こえてしまった。140人ほどの合唱なら、ロシアの大地を思い起こさせる押し出しが出来たことを考えると残念。

                       

                      今回はじめて聞いたので、この作品の魅力はよくわからない。しかし、なぜ演奏頻度がそこそこあるのだろう?...

                      適度な演奏時間(40分程度)と打楽器が多用されて演奏会が華やかになること???そんな単純なことでもないとは思うが...

                       

                      彼の声楽曲なら、個人的には「イワン雷帝」が一番のお気に入り!これもエイゼンシュテインの映画音楽が元で、こっちは確か映画音楽そのものを再構成した作品(何回映画そのものを見たことか...)しかし、ナレーションをつけて物語の展開がわかるようにすれば、面白いことこの上ない。演奏時間も1時間ほどだ。是非是非もっと取り上げてほしい。

                      正直に言うとこの曲、今から30年以上前に自分が合唱デビユーした曲なので思い入れもひとしおなのだ。

                       

                       

                      〈データ〉

                       

                      日本センチュリー交響楽団 第212回 定期演奏会

                      2016.10.29(土) 14:00

                      ザ・シンフォニーホール

                       

                      チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

                      プロコフィエフ:アレクサンドル・ネフスキー

                       

                      指揮:アラン・ブリバエフ

                      ピアノ:エフゲニー・スドビン

                      メゾ・ソプラノ:小山 由美

                      合唱:大阪センチュリー合唱団、大阪音楽大学合唱団

                       

                      【料金】 C席 3,500円

                       

                       

                       

                      | 声楽曲2016 | 20:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
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